夏休みが無事終わり、新学期に入りましたが、残暑が厳しいですね。こんなときこそ熱中症には十分に気をつけさせなくてはならないと思っています。皆さまも、くれぐれもご自愛ください。
10月初旬の運動会に向けて本校でも練習が始まりました。
さて、そんな中、保護者会を行いました。そのときの様子をお伝えしたいと思います。
6年生は2クラスあり、隣の担任は20代の男性教師です。お互いによく気が合い、いろいろなことを話し合っています。それで、今回の保護者会は、最初の20分間はお互いのクラスで懇談し、その後うちの教室に両クラスの保護者が全員集まってもらい、ゲームをしようという話に決めました。
大枠を決めたのは夏休み中だったので、早速どのようなゲームをしようかと考えました。ひとつは、リボンを解くゲームにしました。
(やり方)
(1) 長いリボン(約2m50cm)の両端を手首が通る程度の大きさに輪にして結んだものを、2本用意します。
(2) そのリボンを交差させるようにして、それぞれ二人が両手首に通します。
(3) そうして、手首からリボンを外さないようにして、交差した部分をほどこうというゲームです。
このゲームは、私が若い頃に同僚から教わっていたもので、解き方を知っていました。しかし、隣のクラスの教師は知らないため、事前に挑戦してみることにしました。職員室にいる若手教師たちが、ああだのこうだのと話し合いながら、解決方法を考えていました。そういう姿もいいものだなと思いました。
もうひとつは、ブロック組み立てゲームにしました。これは、あらかじめレゴブロックを組み立てて、離れた場所に置いておき、仲間と協力しながら同じ形に組み立てていくゲームです。
(やり方)・・・教室で子どもたちを相手にやるときの方法をお示しします。
(1) 5色のレゴブロックを、各2個ずつ、計10個の組み合わせをグループの数+1用意します。ひとつは、見本にするためのものです。
(2) 子どもたちには見えないようにして、10個のブロックを適当に組み立てて、廊下の机の上などに置きます。
(3) 子どもたちを数人のグループに分け、それぞれ10個のブロックを組み立てさせます。(グループは5人程度がうまくいきます)
(4) 廊下の見本を一人2回ずつ見に行って、同じ形に組み上げていきます。
このゲームは、ルールを付け加えていくことでより難しくすることができます。例えば、廊下で見る時間を10秒間に制限する、ゲーム中は互いに話をしないなどです。
さて、クラスに分かれての懇談後、保護者の皆さんには、内側を向いて丸く並んだ椅子に座っていただきました。
最初のうちは、「一体、これから何が始まるのだろう?」といった緊張した空気が流れていましたが、「キャッチ」というゲームから始めたところ、笑い声が上がってきました。
リボンのゲームの頃には和気あいあいとなり、教室がお母さんたちの熱気で、さらに暖かいエネルギーで満たされました。ブロックゲームの頃には楽しんで参加してもらうことができました。
ゲームのあとで、私から話をさせていただきました。
リボンのゲームのように、答えがわからない課題に対して、みんなで知恵を出し合ったり、ワクワクとした気持ちで取り組んだりすることが、子どもたちにとってはとても大切であるということ。そういう過程を通して得たものが、かけがえのない能力となって一生の財産になること。
また、ブロックゲームでは、コミュニケーションや協力がいかに大切かを理解していただけたこと。これから中学校に進学しても、新しい友達と、コミュニケーションをとっていってほしいと願っているということ。
私たち教師は、授業のすべてを、そういうものにしていかなくてはいけないと考えていること、などを伝えさせていただきました。
翌日、私たち6年担任は、この保護者会についての評価をしました。私たちが授業を組み立てる際の思いや子どもたちへの願いを言葉で説明するよりも、このように体験を通して保護者の皆さんに感じ取ってもらうことはとても有意義ではなかったかと思いました。
その他、書ききれないほどの話しをしたので、きっと若い彼は、これからの保護者会を、さらによくしていってくれることと期待しています。私も、若手を育成しながら、自分自身も学び続けていこうと考えています。

荒畑 美貴子(あらはた みきこ)
特定非営利活動法人TISEC 理事
NPO法人を立ち上げ、若手教師の育成と、発達障害などを抱えている子どもたちの支援を行っています。http://www.tisec-yunagi.com
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
