2011.08.04
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白熱教室からの学び こんな授業を作りたい!

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

何気なくチャンネルを回したら・・・

 大雨の影響で新潟・福島を中心に大きな被害が出ています。お見舞い申し上げます。

 地球全体では、雨が降る地域が減って干ばつが広がっているかわりに局所的な大雨が増えているということ。これからも最大級の警戒が必要です。

 さて日曜日の夕方。私は、某民放テレビの落語家が複数出演し、重ねた座布団に乗ることを競い合う番組が好きでよく見ています。

 この前の日曜日も大笑いをしてその番組を観終わった後の18時。何気なくチャンネルを回して目が釘付けになってしまった番組。それが白熱教室JAPAN(Eテレ)でした。

多様な人々の発言が魅力

 以前からそのディベートの面白さは「ハーバード白熱教室」で感じていましたが、英語が堪能ではない私にとって通訳が入った言葉にはいささか抵抗がありました。そんな中で見た「白熱教室JAPAN」。日本語で語られる言葉は、脳にすんなり入ってきます。

 その日は、東京大学の川本隆史さんがコーディネートし、「ヒロシマからフクシマへ届けられるもの」というテーマでのディベートでした。

 川本さんは冒頭に2人の詩人の言葉を紹介し、討論の視点を与えます。その後はもう参加者が次々と発言してどんどん授業が進行していきます。

 タイムリーなテーマもさることながら、すごいのはその参加者の積極性と多様性。

・年代はおよそ20代から80代

・経歴は大学生、主婦、医師、そして今回の場合被曝された方、被爆2世の方など

・住んでいるところも、ヒロシマの方、ヒロシマに近い方、それ以外の方

多様な人々がそれぞれの思いをぶつけていました。

無知の知に気付くことが学びの始まり

 番組を視聴して私が感じたことは二つあります。

 一つ目は、視点あるいは切り口の与え方の重要性です。川本先生による2人の詩人の言葉が今回の視点でありました。その視点が参加者の心に響いたからこそ白熱したディベートが生まれたのだと思います。

 二つ目は、「私は何も知らなかった。」あるいは「知ろうとしなかった。」ことに気付いたこと。私はヒロシマのこともフクシマのことも深く知ろうとしていなかったことに気付きました。まさにソクラテスの無知の知です。この気付きが学びへの出発点なのだろうと思います。

 教師が授業をする際の大きなヒントを得たようにも思います。

 思いがけず有意義な研修をした日曜の夕方でした。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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