夏休みに入り、暑い日が続いたり、ゲリラ豪雨があったりで、夏特有の天候なのかも知れませんが、今年はニューレコードとはならずに、何事にも平年並みと天候の神様にお願いしたいところです。
さて、前回の6月中に、各教員に記入してもらった気づきのシートを集約しました。16名の生徒がエントリーされました。複数の教員が同一項目にチェックをしている生徒3名について、ケース会議を開きました。個別の指導計画を作成するためです。これまでも対象生徒のケース会議を何度か開いたことがあります。その後の備忘録的な記録から個別の指導計画を、独自で作成し、担任や管理職には提示していましたが、個別の指導計画を検討するまでには至りませんでした。
個別の指導計画は本来は、担任が作成するものですが、高校では担任に依頼することで、特別支援教育そのものに拒否感を持つことが予想され、本校では当分の間、私が作成し、それをたたき台にして、意見を取り入れまとめられたという思いで進めています。
さきの3名の個別の指導計画を作成しましたが、3名のうち2名は授業すら担当していなくて、生活背景はもちろん、日頃の授業の様子も見えていません。3名のうち2名は、授業中に私語をする、寝ている、課題を出さない、等で具体的な方策といわれても、授業形態を大きく変えるか、その都度、指導を繰り返し行うか、その場その場に応じた、教科によってもその対応の仕方は異なるので、どうなるのだろうと集約中に思いました。
その中で実態把握は、聞き取りや気づきのシートからある程度はわかりますが、コーディネーターとして具体的な提案となると、とても難しく思いました。結局通り一辺倒のことであり、簡単にいえばより丁寧な対応を記述しただけで終わってしまっています。当初の思惑では、いろいろな立場の教員から意見をもとに、より多く”たたい”てもらって、みんなで作る個別の指導計画になればと思っていたところ、たたき台がスルーしてそのまま個別の指導計画になってしまったことが、少し残念です。とはいえ、初めて個別の指導計画を作成するために会議を開いたことには、意味があると思うことにしています。
特別支援教育が本校で定着するかしないかは、これからであり、生徒の改善が目につけば、着目される回数は増えるでしょうが、さほど大きな変化もなく、方策がより丁寧な対応としか映っていなければ、教員各自が実行することもないだろうし、定着はまだまだ先のことだと思います。いずれにせよ、2学期末に生徒がどんなふうに変化しているかが楽しみでもあり不安でもあります。

田杼 弘行(たどち ひろゆき)
神戸市立兵庫商業高等学校 教諭 特別支援Co
すべての学校に特別支援教育をという文科省通達から5年目。しかし高校現場でのギャップ。一教師として、できることを探りながら、様々な「話題提供を」と、思っています。
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