フルマラソン・デビュー
ボクのフルマラソン初体験は、今から11年半前、1999年11月21日に「君のチャレンジ精神に栄光あれ!」のキャッチフレーズで開催された「チャレンジ松岡九頭龍フルマラソン」でした。
当時所属していたランニングチームのメンバーに刺激され、初めてのフルマラソンは「この大会」と決めていました。やるからには完走をめざそうと、周囲には「今年こそはフルマラソンに挑戦するから!」と、ことあるたびに宣言し、自分にプレッシャーをかけていました。しかし、いざその日が近づくにつれて、「果たして自分にそれができるのだろうか」と、不安ばかりがどんどん大きくなっていました。
迎えたレース当日、朝5時半前に車で自宅を出発。湖周道路を北上し、木之本から北陸自動車道に入ると、何となく雲行きが怪しくなってきました。「嫌だなあ・・・」と思っていたら、間もなく雨が降り出し、コンディションは悪くなるばかり。一方、車は順調に進み、7時過ぎには会場に到着。雨は小降りになっていましたが、風がとても強くて気持ちが萎えていきます。
九頭龍川河川敷に設けられた受付会場は、あちこちに水溜まりができていて、あっという間にシューズがドボドボ。チームのメンバー3人と合流し、一緒に開会式に参加。式の中で、来春3月に結婚する予定の小学校の先生(フル初挑戦)が、クラスの子どもたちの声援を受けながら婚約者と仲良く選手宣誓。結婚後も、こんなふうに二人で走るんだろうな・・・と思うと羨ましくなりました。
9時、いよいよレースがスタート。松村和子のデビュー曲「帰ってこいよ」の歌が流れる中、男子373人、女子75人が一斉に走り出しました。この時、参加者が申込書に書いた「ひとこと」が順に読み上げられるのもこの大会の一つの特徴で、その声に背中を押されるように元気が湧いてきて、すごく嬉しくなります。
コースは、松岡町五松橋近くの九頭龍川河川公園から福井市中橋付近まで、川沿いのサイクリングロード約10kmの区間を二往復します。途中、3カ所のエイドステーションとトイレがあり、不安はありません。また、フルマラソン初挑戦の参加者が多いこともあって、「完走請負人」とよばれる人たちが伴走してくれます。九頭龍走友会に所属する3人のおじさんランナーたちが、疲れて歩き出した選手を励ましたりアドバイスをしたりするなど、何度もコースを行き来して、制限時間6時間以内の完走を請け負ってくれます。また、それとは別に「見回り奉行」とよばれる人たちもいて、サポート体制は万全です。
さて、僕の初フルマラソン・・・。25kmぐらいまでは、5kmを28分くらいのイーブンペースで走り、その後35km手前くらいまでは少しペースダウンしたものの、5kmが30分を切るペース。この調子なら4時間を少し過ぎたくらいでゴールできるかも?なんて、一時は甘い期待が頭をよぎりましたが、やはりマラソンはそこからが正念場、最後の数キロで本当の苦しみを味わうことになりました。
膝がガクガクになり、足はほとんど上がりません。「歩け、歩け・・・」とささやく声がどんどん大きくなり、ペースは急激にダウン。歩くよりも遅いような走り方しかできない中、それでもなんとか踏ん張り、やっとの思いで目標だった4時間30分以内でゴールイン。感激の瞬間でした。
あの感動を「大阪マラソン」でもう一度
あれからいくつかのレースに出場し、ランニングをまともにやっていた1997年11月~2001年12月までの4年間で、公式マラソン大会完走回数はフル(2回)、ハーフ(7回)、10km(23回)、他(7回)。ベストタイムは、フル(4:26:27)、ハーフ(1:42:00)、10km(42:26)。
決して人に自慢できるようなタイムではありませんが、初フルの感激を忘れることができず、大会に参加し続けました。しかし、2002年からはエントリーはするものの、仕事の都合で(ちょうど20年間勤めた学校を辞めて、新しい仕事をやり始めた時期にあたります)出場できず、その後は細々と練習するのみでした。
これではいけないと、10年ぶりの沈黙を破って、昨年あたりからボチボチ本格的な練習を始めました。そして今年、大阪で初のフルマラソンが開催されるということで、マラソン再デビュー記念にしようとエントリー。しかし、参加申し込みが定員を大幅に上回り、お決まりの抽選となりました。
7倍を超える中、果たして抽選結果は・・・? 以下、4月25日にメールで届いた文面です。
◇◇ 大阪マラソン2011 抽選結果(落選)のお知らせ ◇◇
このたびは第1回大阪マラソンにご応募いただき誠にありがとうございました。お陰様をもちまして定員を大幅に上回る申込みがあり厳正なる抽選を行いましたところ、誠に残念ながら今回はご意向に沿えない結果となりました。今後、参加料の未入金者が多かった場合には、追加当選者を出すことがございます。その場合、7月中旬頃に再度『第1回大阪マラソン追加当選のお知らせ』にて通知させていただく予定です。つきましては、下記に記載される『追加抽選のスケジュールについて』をご一読ください。なお、追加当選の状況に関する問い合わせには対応できません。また、追加抽選の結果につきましては、当選者のみの通知といたしますので何卒ご了承ください。
大阪がダメなら、神戸があるさ
マラソン復帰記念にと意気込んでいたのに、その舞台にも上がれず、残念な結果となった大阪マラソン。しかし、これで引き下がっていては10年間のブランクを破った意味がありません。追加抽選に一縷の望みを託しつつも、大阪マラソンに続いて関西圏で行われる都市型ビッグマラソン、第1回神戸マラソンにエントリー。今度は抽選が当たることを願って、練習を続けました。
6月30日、いよいよ抽選結果の到着です。ところが、またもや落選・・・
■ 第1回神戸マラソン 抽選結果(落選)のお知らせ ■
このたびは「第1回神戸マラソン」にお申し込みいただき、誠にありがとうございました。2011年4月15日から5月20日までお申し込み受付を行ったところ、定員を超えるお申し込みがあり、厳正なる抽選の結果、誠に残念ながら、貴方様におかれましては、ご意向に沿えない結果となりましたことをご通知いたします。今後、当選者のキャンセル(参加料未入金)が多い場合は、追加当選者を出すことがございます。その場合、9月初旬頃に再度『第1回神戸マラソン追加当選』としてご通知させていただく予定です。スケジュールは以下の通りです。なお、追加当選の状況に関する問い合わせには対応できません。また、追加当選者のみへのご通知となりますので、あらかじめご了承ください。
諦めから一転、大阪マラソン当選!
こうなると、だんだんと意欲喪失。別にビッグマラソンだけが全てではありませんが、各地で行われる身近なレースにエントリーする気分には、なかなかなれませんでした。いくつかの企業が企画した、大阪マラソンの出場権を景品にした懸賞にも応募しましたが、もちろん当たるはずもありません。
そうこうしているうちに、仕事の方がどんどん忙しくなり、休日に練習する時間もとれなくなってきました。今年は10km、走ってもハーフ止まりかな・・・と、秋に行われる近くのレースにエントリーしようとした矢先、なんと大阪マラソンの追加当選通知が舞い込みました。7月11日のことです。
◇◇ 大阪マラソン2011 追加抽選結果(当選)のお知らせ ◇◇
このたびは第1回大阪マラソンへご応募いただき、誠にありがとうございました。平成23年7月上旬に追加当選の抽選を行いましたところ、当選とさせていただきました。つきましては、下記の入金支払用URLにアクセスし、参加料および手数料のお支払いをお願いします。なお、下記に定める期限内にお振込みがない場合には、当選無効となりますのでご注意ください。チャリティカラーについては、マイページ上で確認いただけます。
照準を3ヶ月半後に合わせて
飛び上がって喜びました。まさか追加当選するなんて夢にも思っていませんでした。こんなこともあるんやなぁ~と、さっそく参加料+手数料の払い込みを済ませ、練習プランの練り直しです。
こうなると、練習の遅れが気になります。大阪マラソンが行われるのが10月30日(日)、今から3ヶ月半後です。以前フルマラソンを走ったことがあるといっても、10年前のこと。果たして大会当日までに、どれくらい身体が復活するか・・・。とは言え、記録を狙って走るわけではないので、目標は今までのタイムより短い時間で完走すること。楽しんでフルマラソンに再デビューが果たせれば、それで十分です。
今のところ、早朝、仕事に行く前に練習時間を確保するのが一番よさそうなので、しばらくそれで様子を見ようと思っています。怪我なく当日を迎えられるよう、そして目標が達成できるよう、暑さに負けず頑張ります。今後の練習の様子など、またこの日誌を通じてお伝えできればと思っています。
もちろん、学校改革の報告も随時していきます。お楽しみに!

安居 長敏(やすい ながとし)
滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
