おらいもワークって何だ?!(前編)
本校の特色ある活動の一つを紹介する。それはたてわり班活動、その名も「おらいもワーク」。
たてわり班活動は全国の至る所で行われている活動だが、その活動につけられた怪しき名前「おらいもワーク」とは。
しばしお付き合いを。
本校は北海道南部の檜山地方、その中でも南部の町厚沢部町にある。さて厚沢部の読み方は?
1 あつさわべ
2 あさわぶ
3 あっさぶ
正解は、、、3番の「あっさぶ」である。北海道の地名はほぼすべからくアイヌ語由来が多いが、この「あっさぶ」もそのようだ。
そのもとになったアイヌ語は「ハチャム」。意味は「桜鳥」。え?「桜鳥」って、、、何と桜鳥とはムクドリのことを指す。桜の咲く頃にやってくる鳥、桜鳥。
この厚沢部町の名物が、あの人気番組「どっちの料理ショー」でも紹介されたじゃがいも「メイクイーン」である。味は日本一とのことである。そのメイクイーンを素材につくられたご当地キャラクターが実は「おらいもくん」なのだ。このキャラクター名を生かし、本校のたてわり班活動を「おらいもワーク」としたようだ。(おらいもワークはH20年より)
このネーミングに本校職員の郷土愛を感じる。単に「たてわり班活動」でも十分通じるが、それに「おらいも」というご当地キャラクターをもちいることで、子ども達にもおらがまちは「おらいもの町!」という郷土愛を感じさせる・・・多分。
おらいもチームは全部で8班。135名の児童を均等に割るので16、7人である。それぞれのチームに担当の教員が2、3名配置されて指導に当たる。普段ふれあうことのない担任外の学年の子ども達のこともよく知ることができる。逆に子ども達は普段担任には見せない顔を見せてくれることもある。必然おらいもワーク後は
「◯年生のA君、とても低学年に優しいね」「え、普段教室では・・・」
とか
「◯◯さん、長縄跳び上手だねえ」「実は学級で特訓したんですよ!」
など、職員室でさまざまな子ども達の名前が飛び交って情報交流が行われる。もちろんいいことづくめではなく、けっこう疲れた顔で戻ってくる場合もたまにはあるが、それも教員としての力量を高める機会と思えばどうってことない。
このおらいもワーク。今は運動会に向け、連続長縄跳びの練習真っ盛りである。学校で設定した中休みを活用した5回だけではなく、自由な休み時間も6年生を中心に練習している。休み時間になると、6年生が全校に放送をかける。
「パンダチームは、長縄跳びの練習をするのでグラウンドに集まってください。」
すると、校舎のあちこちからメンバーが集まってくるのである。
つづく

久慈 学(くじ まなぶ)
厚沢部町立厚沢部小学校 教頭
北海道で小学校教員、今年は教頭職三年目。ニューデリー日本人学校での経験を生かし、片田舎から世界を、世界から片田舎を見つめつつ発信したいと思います。
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