2011.04.28
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大震災後 日本の教育が目指すもの

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

大震災が身近に

今週、知り合いの方のご両親が今回の大震災でお亡くなりになっていたことを知りました。

その方から、亡くなられた時のことを詳しく聞いているうちに、遠い東北の地で起きた震災が一気に自分の傍まで来たような衝撃を覚えました。

東北に直接ご縁のない方でも、私のように巡り巡ってつながっている人が日本中、世界中にいるのだと思います。今、本当に日本は悲しみに包まれているという気がします。これは本当に大変なことです。この大震災をきっかけにより真剣にこれからの日本を考えていかなければならないと感じました。

3.11後の日本は変わった

 3.11後の日本は変わりました。すべてに優先して安心・安全が問われるようになりました。それは理屈ではなく、日本人の体に染み込んだのです。歴史を紐解くと、過去にも大地震や津波は来ました。今回は更に原発事故も重なってしまい深刻です。

 だからこそますます科学技術を発展させ、安全を追究したい。パニックや暴動を起こさない日本人らしさをこれからも大切にするために道徳的な心情を培いたい。そして常日頃からお付き合いを大切にして人と人とがつながっていたい、と思います。

教育の果たすべき役割

 教育の果たすべき役割も変わりました。

 大震災に強い日本を作るために学校教育はどうあるべきか。このような視点で日々の教育実践を考えると、国語、算数・・・・・各教科領域等のすべての教育活動が人々の安心・安全につながる学習であることが見えてきます。「何のために勉強するのかわからない。」「勉強がおもしろくない。」このように思っている子どもにも、強い目的意識を与えることができるような気がします。

 私たち教師は、この大震災の事実を発達段階に合わせて、分かりやすく伝える義務があると思います。そして日本の子どもたちに震災に負けない国を作っていこうとする態度を養っていくことが大切です。

 もちろんこれは極端な考えだとは思います。

 でも、私は「今はそうなのだ。そうあるべきなのだ。」と思っています。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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