2011.04.29
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リアル熟議

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

グループ発表1 グループ発表2 グループ発表3

 「リアル熟議」という言葉を聞いたことがありますか。
 「リアル熟議」は、文部科学省が全国に開催を呼びかけ、熟議による教育現場づくりの取組を加速しようという取り組みです。
 文部科学省では、Webサイトにおいて、学校・家庭・地域の教育現場の声を集めることによる「熟議」を通じて教育現場をよりよくするための取組(「熟議カケアイ」)を先行して行っていました。それを、より確かなものとするために、2010年4月17日より「リアル熟議」を開催し始めました。
 第1回は、文部科学省主催で、文部科学省講堂において、「小・中学校をよりよくするにはどうすればよいか」というテーマで行われました。その後、各地において、インターネット上の「熟議」と併せて、それぞれの地域で、教育現場に関わる人々が実際に集まり、よりよい教育現場づくりや教育政策等について議論する「リアル熟議」の取り組みが行われるようになりました。

 ところで、「熟議」とは、どういうものなのでしょうか。

 「熟議」とは、多くの当事者による「熟慮」と「討議」を重ねながら政策を形成していくことです。具体的には、政策を形成する際の次のようなプロセスのことを言います。
 (1)多くの当事者(保護者、教員、地域住民等)が集まって、
 (2)課題について学習・熟慮し、討議をすることにより、
 (3)互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、
 (4)解決策が洗練され、
 (5)個々人が納得して自分の役割を果たすようになる。
 教育を取り巻く様々な状況の変化を踏まえつつ、課題に立ち向かい、乗り越えるための知恵と実行力を生み出していくためには、教育現場に関わる様々な立場の人々による「熟議」に基づく教育政策形成を促進することが大事だと考えられています。

 次に、熟議の進め方について説明します。通常の熟議は、2つのラウンド(議論の場)で構成されています。第1ラウンドは、課題を出し合い、共有化する場で、第2ラウンドは、課題解決策を出し合い、意見交換する場となっています。
 進め方は以下の通りで、進行はファシリテーターが行います。ファシリテーターは、話しやすい場づくりや出た考えの整理など、熟議の支援と促進を行います。
○第1ラウンド
【1】 自己紹介(1人1分程度)
【2】 討議 
 (1)付箋紙に、テーマに関する課題を端的に記入する。(3分程度)
  ※1枚に課題を1件記入し、1人複数枚作成する。
 (2)ファシリテーターの進行で、順に付箋紙を模造紙に貼りながら、発表する。
 (3)ファシリテーターが課題を整理する。
○第2ラウンド
 (1)まず発表者を決める。
 (2)ファシリテーターの指示に従って、第1ラウンドで明確になった課題に対する解決策を付箋紙に記入する。(3分程度)
  ※中身としては、「課題に対して、自分はこうした、みんなでこうしよう。」といった具体的な内容を記入する。
 (3)ファシリテーターの進行で、順に付箋紙を模造紙上の関係する場所に貼りながら発表する。
 (4)ファシリテーターが解決策を整理し、発表内容を確認する。
○グループ発表
 各グループの討議結果を発表する。
 ※各グループ2分以内

 私は、この「リアル熟議」に興味を持ち、3月5日に東京で行われた「リアル熟議」に参加してきました。テーマは、「若手教師の育て方、育ち方 ~学校はみんなが育つトコロ~」です。このテーマは、私が最も興味を持っていることの一つだからです。
 当日は、事前に行われたファシリテーターの研修会から参加し、「リアル熟議」に臨みました。ゲストによる基調提案の後、それぞれ6人前後のメンバーで熟議が行われました。私のグループのメンバーは、現役の教師、大学生、社会人が、それぞれ2人でした。それぞれの立場で考えていることや思いを、付箋に書いたり、話したりしながら、可視化していきました(写真)。
 そして、グループ発表を得て、全体シェア(振り返り)を行いました。

 この「熟議」は、テーマも手法も、現在の教育界に使えるものではないかと思いました。ミクロとマクロの視点で教育をとらえ、ファシリテーター的な教師の構えやKJ法的に学びを整理していくことは、有効だと感じました。

 いずれにしても、多くの人々が教育に関心を持ち、熟議している様子は、教育に対する心強い支援だと感じました。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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