どうして、成績上位者を発表するの?
本校の中高一貫(中学)では、小テストの結果や、定期考査の上位者を学級通信で発表しています。2・3年生にはあたりまえになっているこの光景も、1年生にとっては「なんで、そんなことすんの?」と思うかもしれません。
中高一貫校では高校受験がないため、中だるみもしやすく、いかにして学習を積み上げていくかが大きな課題となります。そのため、各学年1クラスという少人数の特性を活かして、クラスの仲間たちと競い合い、高めあいながら同じ目標に向かって頑張る仲間をつくっていってほしいと考えています。
毎年、保護者会の席で、「テストの結果を学級通信に載せることについては、最初、正直言って驚きましたが、今はぜひ続けてほしいと思っています」、「うちは、『名前を載せてもらうために勉強を頑張る』と言って、以前にも増して勉強するようになりました」といった声が聞かれます。
職員室にいても、テストが終わった後など、「私、何点やった?」「通信に載る?」などと、結果を聞きに来る子どもたちがたくさんいます。テストの点数がすべてではありませんが、それだけ子どもたちの関心が高いのも確かです。
定期考査等の上位成績者を公表するのは、競争心理を上手く刺激して、みんなが今より高いステージで活躍できる場をつくっていくのをねらいとしています。
「がんばりま表」はなんのため?
また、本校では、考査前になると各学年の学習委員が作った「がんばりま表」に、自分の学習計画表を記入し、各自が担任へ提出することになっています。自分が立てた計画ですから、この計画に沿って実行しようという強い意志が芽生えます。
まず、時間が来たら机に向かう。そして、「何時までに、ここまでやる」と決めて取り組むことで、計画倒れを防ぎます。たとえ、計画通りに進まなくても、時間に余裕のある土日や、通学時間等を上手く利用して遅れを取り戻すこともできます。
テレビを観ながら、音楽を聴きながらといった「ながら勉強」は、時間だけ費やして、頭に入っていないことが多いようです。教科書やノートを見ているだけや、線を引いているだけでは、覚えられません。書いて、声に出して、あらゆる五感を駆使して、勉強しましょう。
そして、人にわかってもらえるように説明できたら、「合格」! 自分の頭の中だけで、わかったつもりになるのではなく、説明できるまでがんばってください。

安居 長敏(やすい ながとし)
滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。
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