2011.03.30
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数学を、もう一度深く学んでみたくなりました

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長 安居 長敏

サイトのデザインがリニューアルされ、記事が読みやすくなりました。「教育つれづれ日誌」も、今日から第九期がスタートします。偶然、私の担当日と重なり、栄えある?トップバッターを飾ることになりました。第八期に引き続き、どうぞよろしくお願いします。

学校は3月25日から春休みに入っています。授業がないとはいえ、年度末処理や新年度に向けた準備で慌ただしい毎日が続いています。加えて、クラブ活動や進学講習もあり、ふだんより忙しく動き回っているような状態です。

さて、私は中高の理科と数学の教員免許を持っているのですが、大学での専門が生物(遺伝・染色体)だったこともあって、何の疑いもなくずっと理科を教えてきました。ですが、昨年度から数学の授業も中高で少し持たせてもらうようになり、今年度は数学だけの担当ということで、最近、ちょっぴり数学科の教師を「極めて」みたくなってきました。

今の学校に赴任する前、といっても20年以上前ですが、前任校(高校)で2年間、数学を教えていた時の感覚も何となく思い出され、数学のおもしろさに再度目覚めたような感じです。

もちろん、理科への情熱が薄れたわけではありません。今の時代、子どもたちに自然科学への興味関心を持たせるためにも、実験を通した理科教育は欠かせないと思っています。その一方で、理科を教えるのが面倒って言うと怒られるかもしれませんが、日々の学校教育活動の中で、実験などをするための十分な準備時間が取りにくいのが現状で、どうしても中途半端に終わってしまうのです。

私たちが中高時代に習った頃の理科の先生は、もっと自由だった(っていうか自分の時間があった)ように思います。準備室で白衣を着て、いつも楽しげに「理科してる」ような先生ばっかりで、実習助手もいて、予算的にもさほど苦しそうな感じもありませんでした。見た目、すごくうらやましかったのを覚えています。

でも、最近では、いざ実験をやろうにも条件的にきついし、そもそもココロのゆとりがないことには「理科のおもしろさ」を全身で表現しにくく、どうしても薄っぺらな、言葉で言い含めるような部分が多くなってしまっています。その結果、中途半端な「カンドー」しか子どもたちに与えられなくて、それこそ自己嫌悪に陥っているのが正直なところです。

それに引き替え、数学は自分の空き時間や寝る前のひとときをうまく使えば、どんどんその面白さが深められ、子どもたちにも「自分の経験値」として「数学の面白さ」が伝えられるのではないかと思います。50歳を過ぎ、なんとなく自分が歳を取ったことで、「過去、やり残したこと」をやりたくなったのかな・・・と、自分自身に問うているところです。

確かに、中学時代から「もっと数学をやりたいな」「深くわかりたいな」と思いながら、高校(理数科)に進学し、その後も、どちらかと言えば数学は座学だと軽く考え、理科に軸足をおいて時間を使っていました。実験・実習に時間を取られ、結果分析ばかりに関心が向いていたのも事実です。

でも、理科だけに興味を絞りきれず、ずっと消化不良のまま数学を引きずっていました。大学に入って、理科と同時に数学の教員免許を取ったのも、たぶんそういう気持ちがあったからです。ただまあ、国語や英語にもそれなりに興味がありましたし、当時「数学を極める」意識がすごく高かったとは思えません。むしろ、今になってその思いがフツフツと湧き起こってきたような感じです。

自分が「極めたい」ということは、当然、子どもたちに「わかってほしい」ということと同義です。数学イコール理系ではありませんし、どの進路を選択するにせよ、数学ができるに超したことはありません。ただでさえ小学校で数学嫌いが増加する中、それなら中学校で好きになればいいじゃない。時間は十分にあるんだから・・・。そんな心境です。

どうだい、一緒に数学を勉強してみないか!

大声でそんなことを言いつつ、新年度の授業開きができたら嬉しいです。

安居 長敏(やすい ながとし)

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。

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