東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
また被災された皆様におかれては、謹んでお見舞い申し上げます。
多くの方々が今も過酷な状況下にあることに胸を痛めつつ、一日も早く事態が好転し、復旧が進むよう、心からお祈り申し上げます。我々にもできることをと思い、子どもたち及び学校から義援金を送りました。1日でも早く、子どもたちの笑顔が戻りますようお祈りいたします。
そんな時だと言うのに、道徳心を欠くような首都東京の首長の発言は、いかがなものでしょうか。人に言われて撤回したとしても、傷ついた人の心は癒えません。国内外からの多くの支援があるなか、責任ある言動をしていただきたいものです。
市民生活にしても配慮に欠けた場面に出合います。食料や日用品、ガソリン・灯油等の買い占めによって被災地に送る物資が不足しているといいます。
計画停電で電車が止まっていることに対して駅員に苦情を言い、振替輸送を迫る人、挙げ句の果てに定期代を返せと言う始末です。どうして、被災された人を思いやることができないのでしょう。少し待てば電車に乗れるのですから、電車に乗れる幸せを感じて待っていればよいのです。
人として 生きていくために大切なことは「思いやりの心」をもつというこです。人は一人で生きていくことはできません。支え合い、協力しあい、助け合いながら生きています。自分または自分たちだけで生きていると思ってはいけません。
さて、本校は明日卒業式を行います。私は、式辞で次のメールを紹介するつもりです。
「おはようございます。実は昨日やっとやっと電気が通りました。昨日は仙台ではまた雪が降りとても寒かったので、電気に救われました。あとはお風呂と食料確保が現在の課題ですが、どちらもみんなで助け合い何とか大丈夫です。学校自体は水道の受水槽が破裂したぐらいですし、学区もそれほど大きな被害はありませんでした。学校によってかなり被害の差があるようで、毎日報道を見て胸が苦しくなります。それでも子どもの安否確認や24日の学校再開に向けての準備などで、日々追われるように過ぎてしまいます。心身共に疲れてはきていますが、倒れないようにしっかり食べているので全く痩せていません。関東でも大きな余震が続いているようで心配です。先生もどうかお体を大切になさってください。」
仙台の知り合いの先生から届いたメールです。学校再開に向けて、希望を持って、現状に耐え、力を合わせて頑張っていることを知りました。さらに、被災者である彼女から、私たちを気遣う言葉を送ってくれました。どんな大変なときにも相手を思いやる心をもっていることに感動しました。
将来に残していきたいものの一つに、人の優しさ、思いやりの心があります。心の教育、命の教育を充実させ、希望に満ちた子どもたちの未来をつくり、可能性いっぱいに育っていって欲しいと願います。
住田昌治

住田 昌治(すみだ まさはる)
横浜市立永田台小学校 校長 ESD横浜代表
学校の持続可能性を求めて、日々挑戦しています。これから日本版ESDスクールのデザインを描き、実現していきます。皆さん一緒に考えていきましょう。
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