2011.02.17
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ネットパワーの脅威 ―ネット情報から真実は見つけ出せるのか―

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

 中東などでは、国内・国際情勢が緊迫しています。
報道等でご承知の通り、体制を覆したのは市民です。そしてその武器になったのはネットから発信される情報であるようです。

 とにかくインターネットは速い。情報が波のように伝わります。もはや「ネット」というより「ウェーブ」といった印象です。

 しかしネットからの情報について、人々はいったいどう判断し自分の行動につなげているのでしょうか。特に事実の全体像や、公正さはどうやって判断しているのでしょう。

 正確に判断しようとする場合、私だったらネットだけでは無理だと考えます。その他のメディアが必要です。新聞は? 雑誌は? 政治家や経済界のリーダーは? 地域の人々は? それら多くの人々の声を総合的に判断することが必要です。その際にもネットは公平に意見を取り上げているのか? ネットだけで判断することは極めて危険であるような気がします。

 幕末から明治にかけて多くの偉業を成し遂げた坂本龍馬は、脱藩浪人という自由さがあるゆえに諸国を回り、様々な人に会い、多くの情報を得ていました。それは人づてに聞いたというものではなく、自分の五感を使って得た生の情報です。だから説得力があり人々が龍馬を信じて集まり、行動し、その力であのような偉業を成し遂げられたのでしょう。(ネットパワーの対極にある「龍馬パワー」とでも言いましょうか。)

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「ネットパワーの脅威を知らせ、あふれる情報の中からいかに真実を見つけ出させるか」というような学習を、学校教育の中で計画的に行うことを真剣に考えていかなければいけない時期にきているような気がします。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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