昨年の秋頃から、クラスの女の子たちの間で話題になっていたのが、『うちの3姉妹』(主婦の友社)。
この著者の表現をお借りすれば、女の子たちが「おっぺけぺ」な会話を繰り広げていたのに、いまひとつ内容を把握できなかった私は、笑いの中に入っていけずにいました。
ところが年末に、「先生も読んでごらんよ」と、女の子の一人が本を持ってきてくれたおかげで、読む機会を得たのです。そしてこの本が、著者の子育ての実際をブログで紹介したものであることを知りました。
私たちの世代の子育てとは違い、今はブログで情報交換ができるのかという驚きと共に、何故この本が読者に広く受け入れられているのかと考えてみました。
最初に気づいたのは、育児書とは違い、素のままの子供の姿が包み隠さず描かれているということでした。そこには、生き生きとした個性豊かな三姉妹がいたのです。
核家族化が進み、育児書を頼りに子育てをしてきた世代において、若い母親が、育児書通りに我が子が育っていないのではないかという不安を抱え、ストレスをためているという話を耳にした記憶があります。
しかし、この本の中には個性を受け入れながら一生懸命子育てをされている著者があり、安心感を得た読者も多いのだろうと想像しました。
さて、いよいよ三学期が始まりました。18日間の冬休みを通し、クラスの子どもたちはぐんと成長したように感じました。ところが一方で、思春期の入り口に立った彼らは、生意気な話し方もするし、ふざけ過ぎて叱られることもしばしばです。そんな彼らですが、私が彼らの成長をほくそ笑みながら見守っていることにも、気づいているようです。
始業式の1月11日に、こんなことがありました。
下校の前にちょっとだけ遊ぼうと、私から提案してみたのです。久しぶりに登校した子供たちに、仲間がいるのは楽しいということを再認識してほしかったからです。
私は外が寒いので、教室で遊んではどうかと話したのですが、
「先生! 今月の目標は、寒さに負けず外で元気に遊ぼうだよ。だから、外で遊ばせてください!」
と言われてしまいました。
そう言われては嫌とは返せず、校庭でドッジボールをすることになりました。子供たちが、広い校庭でのびのびと、笑い声を上げながら遊ぶ姿を、私は重ね着をして見守っていました。
最近は、男女別のゲームです。お互いが異性を意識しているのを見ているのはおもしろいです。
ゲームが終わってから、女の子たちと立ち話になりました。
「男の子も女の子も、お互いをかわいくないって思っているんだよね?」
「そうそう」
「でもさ、そういう君たちが、どちらもかわいいよ」
「ふ~~ん、そうなんだ」
そんなやり取りに、子どもたちは満足そうでした。
昨日、『うちの3姉妹』の続きを貸してもらい、改めてじっくり読ませていただきました。この著者は、子どもたちの個性を描いているばかりではなく、我が子の成長をにんまりとした心境で受け入れていることが素晴らしいのだと、新たに気づかされました。
親であれ教員であれ、いつの間にか理想像を追ってしまい、自分の願い通りに育ってくれない子どもに、ストレスを感じることがあると思います。しかし、大人の理想の型に子どもを押し込もうとするのは間違いだと思います。
子どもたちには、子どもたちの人生があるのです。
ですから、子供たちの願いに耳を傾け、必要な支援をし、成長を一緒に喜んでやれるような存在でありたいと思っています。
最後になりましたが、この本を通して、子どもたちとさらに仲良くなれたことに、感謝申し上げます。
この著者の表現をお借りすれば、女の子たちが「おっぺけぺ」な会話を繰り広げていたのに、いまひとつ内容を把握できなかった私は、笑いの中に入っていけずにいました。
ところが年末に、「先生も読んでごらんよ」と、女の子の一人が本を持ってきてくれたおかげで、読む機会を得たのです。そしてこの本が、著者の子育ての実際をブログで紹介したものであることを知りました。
私たちの世代の子育てとは違い、今はブログで情報交換ができるのかという驚きと共に、何故この本が読者に広く受け入れられているのかと考えてみました。
最初に気づいたのは、育児書とは違い、素のままの子供の姿が包み隠さず描かれているということでした。そこには、生き生きとした個性豊かな三姉妹がいたのです。
核家族化が進み、育児書を頼りに子育てをしてきた世代において、若い母親が、育児書通りに我が子が育っていないのではないかという不安を抱え、ストレスをためているという話を耳にした記憶があります。
しかし、この本の中には個性を受け入れながら一生懸命子育てをされている著者があり、安心感を得た読者も多いのだろうと想像しました。
さて、いよいよ三学期が始まりました。18日間の冬休みを通し、クラスの子どもたちはぐんと成長したように感じました。ところが一方で、思春期の入り口に立った彼らは、生意気な話し方もするし、ふざけ過ぎて叱られることもしばしばです。そんな彼らですが、私が彼らの成長をほくそ笑みながら見守っていることにも、気づいているようです。
始業式の1月11日に、こんなことがありました。
下校の前にちょっとだけ遊ぼうと、私から提案してみたのです。久しぶりに登校した子供たちに、仲間がいるのは楽しいということを再認識してほしかったからです。
私は外が寒いので、教室で遊んではどうかと話したのですが、
「先生! 今月の目標は、寒さに負けず外で元気に遊ぼうだよ。だから、外で遊ばせてください!」
と言われてしまいました。
そう言われては嫌とは返せず、校庭でドッジボールをすることになりました。子供たちが、広い校庭でのびのびと、笑い声を上げながら遊ぶ姿を、私は重ね着をして見守っていました。
最近は、男女別のゲームです。お互いが異性を意識しているのを見ているのはおもしろいです。
ゲームが終わってから、女の子たちと立ち話になりました。
「男の子も女の子も、お互いをかわいくないって思っているんだよね?」
「そうそう」
「でもさ、そういう君たちが、どちらもかわいいよ」
「ふ~~ん、そうなんだ」
そんなやり取りに、子どもたちは満足そうでした。
昨日、『うちの3姉妹』の続きを貸してもらい、改めてじっくり読ませていただきました。この著者は、子どもたちの個性を描いているばかりではなく、我が子の成長をにんまりとした心境で受け入れていることが素晴らしいのだと、新たに気づかされました。
親であれ教員であれ、いつの間にか理想像を追ってしまい、自分の願い通りに育ってくれない子どもに、ストレスを感じることがあると思います。しかし、大人の理想の型に子どもを押し込もうとするのは間違いだと思います。
子どもたちには、子どもたちの人生があるのです。
ですから、子供たちの願いに耳を傾け、必要な支援をし、成長を一緒に喜んでやれるような存在でありたいと思っています。
最後になりましたが、この本を通して、子どもたちとさらに仲良くなれたことに、感謝申し上げます。

荒畑 美貴子(あらはた みきこ)
特定非営利活動法人TISEC 理事
NPO法人を立ち上げ、若手教師の育成と、発達障害などを抱えている子どもたちの支援を行っています。http://www.tisec-yunagi.com
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