学校も2学期が終わり、冬休みに入りました。北海道は夏休みと冬休みがそれぞれ25日間ずつとなっており、本校は1月18日までが冬休みとなります。
さて、前回は1年生の道徳授業について書きましたが、今回は道徳授業第2弾、5年生児童を対象に行った実践について紹介します。長くなるので、まず今回は前編として授業前の準備を、、、。
(1) ねらい
審判の微妙な判定により、「一本勝ち」を逃した篠原選手の試合後のインタビュー「●●●●●●●●●●」から、あなたは何を感じ取るか。
(2) 授業の流れ
シドニーオリンピック柔道100キロ超級決勝で、フランスのドイエ選手と対戦した篠原選手が、審判の判定により「一本勝ち」を逃し、そのまま優勢負けして銀メダルにおわる。テレビの解説者やアナウンサーは、篠原選手の勝ちを訴えるが、篠原選手は、ただ「●●●●●●●●●●」と答えるだけだった。この言葉からあなたは何を感じ取れるだろうか。
今回の授業は、ある研究授業後の夜の反省会から生まれた。自分なりの授業観を話したり、他の先生方の話を聞いたり、そして当の授業者と語り合ったりしていたさ中だ。
これまた若手の5年生担任の先生が、
「教頭先生、ぼくの5年生にも授業してください。」
と言ってきたのだ。人数は少ないが個性派ぞろいの5年生、一筋縄ではいかないが、ここは逃げる手はない。
「教頭先生、うちの5年生の子どもたちに『男とは何か!』を教えてやって下さい。」
もちろん夜の席なので、勢いづいてはいるところは差入引いてお読みいただきたい。また、学習指導要領に『男とは何か!』なんて指導事項はない。
きっと学級担任は、教室の後ろに掲示している「正々堂々」の言葉を言いたいのだ! と、勝手に解釈し、
「よし、俺がずーっと心に温めていた、とびきりの教材でやってやる!」
とこれまた、夜の席ならではの勢いで応えた。
投げ込み教材でやるには、道徳がいい。それも、ずーっと心に温めていた教材でやれるのは・・・ひとことうれしい。
授業準備は、まず資料集めから。函館市内の児童書コーナーで手に入れていた本があった。日頃から授業のことばかり考えていると、女神はあちらから笑顔でやってくる。
その本には、篠原選手の試合の様子を児童向けにルビ付きで書いてある。物語は、このオリンピックにかける篠原選手の意気込みからていねいに書いてある。そして、相手のドイエ選手の素晴らしい人間性にも深く触れている。二人の人間ドラマ、友情で物語は終わる。
物語は素晴らしく、読みどころ満載である。しかし、資料を教材化するには、ポイントを絞らなければならない。このままでは授業がボケてしまう。絞るために篠原選手の試合後のインタビュー「自分が弱いから負けた」に焦点が当たるよう、編集し直した。(と言えばかっこいいが、切り貼りした。最後はアナログである)
そしてもう一つ。IT時代ならでは? 動画サイトで、その試合を検索してダウンロードした。うれしいことに、おまけとして、試合後感情を表してはいけないはずの、某国営放送の女子アナウンサーの涙まじりのナレーションも入手できた。
授業プリントも作り、準備は整った。あとは、授業開始のチャイムを待つだけである。
(つづく)
さて、前回は1年生の道徳授業について書きましたが、今回は道徳授業第2弾、5年生児童を対象に行った実践について紹介します。長くなるので、まず今回は前編として授業前の準備を、、、。
(1) ねらい
審判の微妙な判定により、「一本勝ち」を逃した篠原選手の試合後のインタビュー「●●●●●●●●●●」から、あなたは何を感じ取るか。
(2) 授業の流れ
シドニーオリンピック柔道100キロ超級決勝で、フランスのドイエ選手と対戦した篠原選手が、審判の判定により「一本勝ち」を逃し、そのまま優勢負けして銀メダルにおわる。テレビの解説者やアナウンサーは、篠原選手の勝ちを訴えるが、篠原選手は、ただ「●●●●●●●●●●」と答えるだけだった。この言葉からあなたは何を感じ取れるだろうか。
今回の授業は、ある研究授業後の夜の反省会から生まれた。自分なりの授業観を話したり、他の先生方の話を聞いたり、そして当の授業者と語り合ったりしていたさ中だ。
これまた若手の5年生担任の先生が、
「教頭先生、ぼくの5年生にも授業してください。」
と言ってきたのだ。人数は少ないが個性派ぞろいの5年生、一筋縄ではいかないが、ここは逃げる手はない。
「教頭先生、うちの5年生の子どもたちに『男とは何か!』を教えてやって下さい。」
もちろん夜の席なので、勢いづいてはいるところは差入引いてお読みいただきたい。また、学習指導要領に『男とは何か!』なんて指導事項はない。
きっと学級担任は、教室の後ろに掲示している「正々堂々」の言葉を言いたいのだ! と、勝手に解釈し、
「よし、俺がずーっと心に温めていた、とびきりの教材でやってやる!」
とこれまた、夜の席ならではの勢いで応えた。
投げ込み教材でやるには、道徳がいい。それも、ずーっと心に温めていた教材でやれるのは・・・ひとことうれしい。
授業準備は、まず資料集めから。函館市内の児童書コーナーで手に入れていた本があった。日頃から授業のことばかり考えていると、女神はあちらから笑顔でやってくる。
その本には、篠原選手の試合の様子を児童向けにルビ付きで書いてある。物語は、このオリンピックにかける篠原選手の意気込みからていねいに書いてある。そして、相手のドイエ選手の素晴らしい人間性にも深く触れている。二人の人間ドラマ、友情で物語は終わる。
物語は素晴らしく、読みどころ満載である。しかし、資料を教材化するには、ポイントを絞らなければならない。このままでは授業がボケてしまう。絞るために篠原選手の試合後のインタビュー「自分が弱いから負けた」に焦点が当たるよう、編集し直した。(と言えばかっこいいが、切り貼りした。最後はアナログである)
そしてもう一つ。IT時代ならでは? 動画サイトで、その試合を検索してダウンロードした。うれしいことに、おまけとして、試合後感情を表してはいけないはずの、某国営放送の女子アナウンサーの涙まじりのナレーションも入手できた。
授業プリントも作り、準備は整った。あとは、授業開始のチャイムを待つだけである。
(つづく)

久慈 学(くじ まなぶ)
厚沢部町立厚沢部小学校 教頭
北海道で小学校教員、今年は教頭職三年目。ニューデリー日本人学校での経験を生かし、片田舎から世界を、世界から片田舎を見つめつつ発信したいと思います。
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