2010.12.10
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「本当にわかった」と言える授業を目指して(2)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

例えば6年生理科で学習する「てこ(の原理)」
 単元の特性として「面白いなあ」とか「へぇ~そうだったんだ」というような驚きと感動を伴う実験や観察を通してこそ、「本当にわかった」と子どもたちが思う実感を伴う理解になるのではないでしょうか。
 私はこの学習で何か日常の生活に結びつく配慮をすることで、より学習と現実のつながりを感じるようにしたいと思いました。

 そこで学習のまとめとして棒状のお菓子(教室に子どもたちが何か興味を持つようなものを持ち込んでみるのも理科の学習では大切なことだと思います。)の一方は教師が持ち、もう一方は誰か子どもに持たせます。
「せーの」でこのお菓子を割ると、何回やっても教師のお菓子が長く割れてしまう。長いお菓子を見せびらかせながら食べると、子どもはとっても悔しがる。そして同時に、なぜこうなるか不思議に思うのです。
 ここですかさず教師が言う
 「これまで勉強した、てこの原理に関係ありますよ。考えてみましょう」
 子どもたちはなぜ折ろうとして力を入れた方が負けるのか、一生懸命考えます。
 そして
 ・(おもりの数)×(中心からの距離)のことかな?
 ・手の力と割れ残る棒状のお菓子の長さが関係あるのではないかと考えます。

  さあそこで、どうしてこのようになるのかを説明します。
 たくさん食べようと力を入れれば入れるほど、中心からの距離(お菓子の長さ)は短くなってしまうのです。てこと同じで、重りの数が少ないほど(力を入れないほど)中心からの距離は長くなるのです。だから、たくさん食べようと思ったら、相手よりも力を入れないことです。そうすれば(相手の力)×(お菓子の長さ)=(自分の力)×(お菓子の長さ)と釣り合って、長い方が手元に残ります。 実は、これもてこの働きと同じなのです。と

 この日常の科学に子どもたちの瞳は,キラキラと輝きます。(もっとも授業中にお菓子を食べられるからかもしれませんが)誰でも知っている「てこの原理」ではあるけれど、改めて1つの原理を通して日常を見てみると新たな発見や感動があります。
この日常生活での具体的な体験という視点で授業を考えることが「本当にわかった」ということにつながるのではないでしょうか?
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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