群馬県桐生市での小学6年生女児のいじめ自殺事件後、毎月、「いじめアンケート」をして、実態把握をしながら、指導をするようになってきています。
本校では、こうした事件が起きる前から、本年度の重点の一つに「人権教育」を位置づけていました。本校で初めて人権主任と今年度は、次のような方針を提案し、実践しています。
1.本年度の重点の一つ「豊かな人間性を育てるために新たな取り組みを進める」を具体化するという視点で、これまでの人権週間から人権月間(11月16日~12月17日) に強化して展開する。
2.学年や学年ブロック、出授業等で関わりのある教師も含めて人権の指導のための話し合いの場(学年会、ブロック会)を持って、連携して指導を進める。
3.単発の学習ではなく、重層的でスパイラルな学習活動を構想し、特に、以下のことを 重点・具現化する取り組みを行う。
(1)子ども達が、それまでの友だちとの関わり方について振り返り、今後の関わり方について考える。
(2)子ども達が、今までの友人関係について振り返ったり、どうしたらより仲よくなれるのかを考えるための授業(道徳、学活、教科等)や人権標語・作文となるようにする。
上記を具体化するための取り組みは、次のようです。
1.学校長講話(11月16日(火)の全校集会)
2.人権集会(12月10日(金))=人権標語と人権作文の発表
3.道徳・学活の授業参観公開授業(11月17日(水))=主に、「思いやり・親切」「友情・信頼」に関する主題で実施する。
4.道徳・学活等の授業(人権月間中の1時間=授業参観と兼ねてもよい)
5.友だちと仲良くしようキャンペーン標語作成(全員)
6.人権作文(全員)
7.人権関連のDVD視聴
8.家庭への啓発=学年だよりや学級だよりで、「人権月間」についてふれる。(授業の内容、児童の感想、人権集会の紹介、標語や作文の掲載等)
9.お昼の校内放送(友だちに関する内容の本を読み、全校児童に聞いてもらう。)
10.人権週間のポスター10枚を校内に貼り、啓発を図る。
私の学級(2年3組)では、3の授業参観で、「いじめとは何か」と題した道徳の授業を行いました。
これは、知っているようで、よくわかっていない「いじめ」について、ある程度の定義をすることによって、理解することを一つの目的と行いました。
まず、具体的な事例を見て、いじめかいじめではないかを考えました。「意地悪・悪口・悪さ」は、「いじめ」ではないということを知らせました。しかし、「いじめ」に発展することが多いことも同時に教えました。それは、『一方的に、繰り返し、大人数』で行われると、それは「いじめ」になるとしました。
最後に、子ども達にわかりやすいように、「いじめ」の定義をまとめました。それは、いじめとは、『いやがることや、じぶんかってなことをして、めいわくをかける』としました(頭文字をとると、いじめになります)。
ここで、終わってしまっては、「いじめ」に対する根本の授業にならないと考え、さらに、次の発問をして、子ども達に考えてもらいました。
「いじめは、なぜ、いけないのでしょうか。」
「いじめはいけない」ことは、誰でもわかっています。しかし、「なぜ、いけないか」については、あまり考えることはなかったのではないでしょうか。子ども達は、一瞬の沈黙の後、それなりによく考えて、意見を言ってくれました。
世間には、「いじめられる方にも原因がある」という主張もあります。それに反論するためには、「なぜ、いけないか」を明確にする必要があると考えたのでした。
子ども達の意見が出つくした後、プレゼンしながら、その理由として、「一人へのいじめでも、多くの人を悲しませることになるから」と、「いじめは法律違反=犯罪にもなりうるから」ということを挙げました。
最後に「今日、学んだこと」をノートに書いて終わりになりました。授業は終わりましたが、これからが大事だと思っています。
参観していた保護者からは、「難しい授業でしたが、(いじめは)真剣に向き合わなければいけない問題だと思いました。」という感想をもらいました。
上っ面の授業ではなく、根本を教え、それを深化させていくような授業が大切だと考えています。そして、それぞれの子どもの心の中で、成長していくもの(コア=核)を形成し、人格の完成に向かわせたいと考えています。それはまた、人権感覚の育成と実践力にもなると思っています。
本校では、こうした事件が起きる前から、本年度の重点の一つに「人権教育」を位置づけていました。本校で初めて人権主任と今年度は、次のような方針を提案し、実践しています。
1.本年度の重点の一つ「豊かな人間性を育てるために新たな取り組みを進める」を具体化するという視点で、これまでの人権週間から人権月間(11月16日~12月17日) に強化して展開する。
2.学年や学年ブロック、出授業等で関わりのある教師も含めて人権の指導のための話し合いの場(学年会、ブロック会)を持って、連携して指導を進める。
3.単発の学習ではなく、重層的でスパイラルな学習活動を構想し、特に、以下のことを 重点・具現化する取り組みを行う。
(1)子ども達が、それまでの友だちとの関わり方について振り返り、今後の関わり方について考える。
(2)子ども達が、今までの友人関係について振り返ったり、どうしたらより仲よくなれるのかを考えるための授業(道徳、学活、教科等)や人権標語・作文となるようにする。
上記を具体化するための取り組みは、次のようです。
1.学校長講話(11月16日(火)の全校集会)
2.人権集会(12月10日(金))=人権標語と人権作文の発表
3.道徳・学活の授業参観公開授業(11月17日(水))=主に、「思いやり・親切」「友情・信頼」に関する主題で実施する。
4.道徳・学活等の授業(人権月間中の1時間=授業参観と兼ねてもよい)
5.友だちと仲良くしようキャンペーン標語作成(全員)
6.人権作文(全員)
7.人権関連のDVD視聴
8.家庭への啓発=学年だよりや学級だよりで、「人権月間」についてふれる。(授業の内容、児童の感想、人権集会の紹介、標語や作文の掲載等)
9.お昼の校内放送(友だちに関する内容の本を読み、全校児童に聞いてもらう。)
10.人権週間のポスター10枚を校内に貼り、啓発を図る。
私の学級(2年3組)では、3の授業参観で、「いじめとは何か」と題した道徳の授業を行いました。
これは、知っているようで、よくわかっていない「いじめ」について、ある程度の定義をすることによって、理解することを一つの目的と行いました。
まず、具体的な事例を見て、いじめかいじめではないかを考えました。「意地悪・悪口・悪さ」は、「いじめ」ではないということを知らせました。しかし、「いじめ」に発展することが多いことも同時に教えました。それは、『一方的に、繰り返し、大人数』で行われると、それは「いじめ」になるとしました。
最後に、子ども達にわかりやすいように、「いじめ」の定義をまとめました。それは、いじめとは、『いやがることや、じぶんかってなことをして、めいわくをかける』としました(頭文字をとると、いじめになります)。
ここで、終わってしまっては、「いじめ」に対する根本の授業にならないと考え、さらに、次の発問をして、子ども達に考えてもらいました。
「いじめは、なぜ、いけないのでしょうか。」
「いじめはいけない」ことは、誰でもわかっています。しかし、「なぜ、いけないか」については、あまり考えることはなかったのではないでしょうか。子ども達は、一瞬の沈黙の後、それなりによく考えて、意見を言ってくれました。
世間には、「いじめられる方にも原因がある」という主張もあります。それに反論するためには、「なぜ、いけないか」を明確にする必要があると考えたのでした。
子ども達の意見が出つくした後、プレゼンしながら、その理由として、「一人へのいじめでも、多くの人を悲しませることになるから」と、「いじめは法律違反=犯罪にもなりうるから」ということを挙げました。
最後に「今日、学んだこと」をノートに書いて終わりになりました。授業は終わりましたが、これからが大事だと思っています。
参観していた保護者からは、「難しい授業でしたが、(いじめは)真剣に向き合わなければいけない問題だと思いました。」という感想をもらいました。
上っ面の授業ではなく、根本を教え、それを深化させていくような授業が大切だと考えています。そして、それぞれの子どもの心の中で、成長していくもの(コア=核)を形成し、人格の完成に向かわせたいと考えています。それはまた、人権感覚の育成と実践力にもなると思っています。
大谷 雅昭(おおたに まさあき)
群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。
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