2010.10.29
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河童のクゥと黒目川

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

私の勤務する小学校のまさに真ん前を小さな川が流れています。その名は黒目川。東京都東久留米市から埼玉県新座市、朝霞市を通って荒川に合流する荒川の支流です。浅い川ですが、途中にわき水が豊富に湧き出ており水がとてもきれいです。

 以前から地の利を生かして本校では教育活動の中でこの川を利用してきました。5年生の理科の授業で「流水のはたらき」という単元では川の地形やカーブの流れの速さのちがいについての学習で、また中・低学年の生活科や総合学習などでも川やその沿岸に生息する生物や植物の観察などの学習に。またクラブ活動でも「黒目川クラブ」が設置されており黒目川祭りや黒目川探検隊など様々なフィールドワーク活動をしています。

本校の教育課程の中でも重要な教材として位置づけられているこの川。 実はこの川は2007年に公開されたアニメーション映画「河童のクゥと夏休み」の舞台となったことでも知られています。映画の中のシーンでは黒目川流域の人々の生活の場面や流域にある施設等がリアルに表現されていました。

ご覧になられていない方のために簡単にストーリーを紹介すると―― 
小学校からの帰り道に少年が黒目川の川原で大きな石を拾いました。家に持ち帰って水で洗うと、中からはなんと河童の子供が!何百年もの間、地中に閉じ込められていたこの河童、第一声は「クゥ!」だったのです。少年はこの河童を「クゥ」と名付けたのです。
最初は驚いた家族もやがて「クゥ」を受け入れ、家族の一員としての生活が始まるのですが・・・。 そして映画の後半では環境問題は、決して他人事ではなく、今の自分、そして子供たち、やがては孫たちの時代へと引き継がれる永遠のテ-マであることが謳われています。

 そんなこんなで生活にも密接に関係している黒目川はなにかと地域の人々には愛されているようです。これからも本校に学ぶ子どもたちに「川は地域共有の公共財産である」との共通認識に立ち黒目川流域の住民として誇りを持って過ごせるよう考えていきたいと思います。

写真はその黒目川です。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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