2010.09.22
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ひとくちに「高校生」といっても・・・

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長 安居 長敏

普通科高校では上級学年に進むにつれて、将来の進路希望別にクラス編成をしているところが多い。

先日も、ある高校で高校1年生の保護者向けに、2年次からのクラス(コース)選択説明会が開かれた。

文系、理系、国公立、私大と、いわゆる一般的な《分類》をもとに、授業カリキュラムに違いがつけられ、希望する内容の学習が効率よく行える・・・

「はいはい、ごもっとも。当然な話だよね~」

そんな中、英語に特化し、文系私大進学をめざすコースの説明のあと、カリキュラム表を見てビックリ!

「え~っ! 数学と理科がひとつもないやん!」

1年次で、必履修科目(高校卒業資格を得るために必ず履修すべき科目、教科ごとにそれぞれ決められている)の授業を済ませているので基本的に問題はないのだが、果たして「教育的」にどうなのか?

「いくら英語一本で、文系私大に進もうと思ってるからといっても、高校の数学や理科の勉強がこれで終わりって・・・なんか変かも?」

「これじゃ、知識っていうか、考え方が・・・偏らないのかなぁ」

ごもっとも、ごもっとも。
おっしゃることはよくわかる。

思わず、保護者目線で(自分の子どもをどうすんねん・・・と)考えたとき、この意見に頷いてしまった。

しかしその一方で、教員という立場で考えてみると、学校の方針もなるほど至極当然というか、大いに納得できることだ。際だった特徴を出しつつ、入試に向けてできるだけ無駄を省いた学習を・・・という思考パターンは、定番中の定番といえるだろう。

「同じ高校生でも、勉強する内容は全然違うんやね」

それぞれのコースで違った科目を習っているだけでなく、同じ科目名がついていても、内容やレベルはいろいろなわけで、それこそ千差万別だ。おまけに、有名大学の付属高校や教育特区制度を利用してつくられた学校など、およそ他の高校とは比べものにならない設備、環境、教授陣で教育を行っているところもある。

さらには、大学顔負けの高度な学習、学外の一流機関と連携した取り組み・・・などなど、その資金力と人脈、組織的なバックボーンを最大限に利用して運営される学校も人気を呼んでいる。

収入の違いによって生活レベルが違う・・・いわゆる格差社会と同じことが、学校を取り巻く背景の違いによって、そこに通う子どもたちの教育環境にも起こっている。

自分の学費を稼ぐため、アルバイトをしなければ学校に通えない高校生もいる。何が一番いいかなんて、その答えを求めること自体、意味のない話だと思う。

自分の信念に問うてみて、自分がよいと思うから「いいのだ」! それ以外の何ものでもない。

安居 長敏(やすい ながとし)

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。

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