2010.09.07
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忍者のおきて 3

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 今回は『宮忍者のおきて』「あいさつ、返事、ありがとう」シリーズの最後、「ありがとう」の実践(道徳の授業)を紹介します。

 いつものように、道徳のノートを用意し、日付を書いたところで、
「今日は、おきてを守るシリーズの3として、『ありがとう』について学びます。」
「はいっ。」
「さすが、いい返事ですね。ところで、『ありがとう』とは、何なのでしょうか。」
「落とした物を拾ってもらった時に言います。」
「忘れた物を貸してもらった時に言います。」
「お礼の言葉です。」
「感謝する時に言います。」
「そうですね。そういう時に、そういう意味で言うのが、『ありがとう』ですが、お礼や感謝するのに何で『あ・り・が・と・う』という言葉を言うのか、ということを聞いているのです。別の言葉でもいいかもしれないのに、何で『ありがとう』なのか、知っている人はいますか。」
「知りません。」
全員が知らないと答えました。予想通りです。
 そこで、「ありがとう」の意味を、次のように教えました。

 「ありがとう」とは「有難う」=「有り難い」、つまり、めったにないという意味になります。ですから、何かをしてもらったお礼として「ありがとう」と言うだけでは、変なのです。
 本来、「ありがとう」には「ございます」が付くべきなのです。この「ございます」が丁寧な言い方となり、『感謝』を表すことになるのです。したがって、「ありがとうございます」で、『感謝』をすることになるわけで、現在では、省略形の「ありがとう」でも感謝する言葉として使われるようになったのです。

 子ども達は「へぇ~」という感じで聞いていました。そして、忘れないように、いつものように道徳ノートに記録しました。

 続いて、子ども達に
「みんなは、幸せになりたいですか?」
と聞きました。全員が
「なりたいです。」
と答えてきました。漠然とでよいのですが、誰もが幸せになりたいものです。そこで、
「では、今日は、幸せの正体を教えます。」
と言って、黒板に『しあわせの正体は、かんしゃ』と書きました。
 続いて、『かんしゃすると、しあわせになる。』
 そして、『「ありがとう」を言えば言うほど、しあわせになる』と書きました(写真 上)。

 子ども達には、
「今みたいに、それ以上、「ありがとう」を言えば、絶対にしあわせになります。逆に、文句ばかり言っていれば、その人は絶対に不幸せになります。」
と話しました。
 そして、五日市剛さんの『ツキを呼ぶ「魔法の言葉」』の話を付け加えました。

 最後に、「今から何をするか。」というめあて(行動目標)をノートに書いてもらい、終わりました(写真 下)。家庭でも、「ありがとう」が言えるようにして、あたたかい雰囲気づくり(心の学力づくり)ができればよいと思っています。

 これで、『宮忍者のおきて』「あいさつ、返事、ありがとう」シリーズの授業は終わりました。授業で取り上げたから、これで完璧とは思っていません。ただ、言葉の意味は知ることができたはずです。今後、どのように活かすかは、担任の腕の見せ所だと思っています。

 「言葉は心をつくる。」
と言われますが、その本質を教えることができた意義は大きいと考えています。

 群馬の凡人教師の実践を活用いただけたら、ありがたいことと思っています。
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大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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