2学期制がスタートしてもう何年になるでしょう。小泉政権のときには、前期と後期の間に長い秋休みを確保して、経済効果を図るという作戦だったはずが、いつのまにかその構想は消え、現在では秋休みの確保すら難しくなり、更には2学期制の見直しから3学期制に逆戻りする学校も出てきました。授業時数を確保するために、始業式や終業式の日にも授業を入れる。授業日数を確保するために、夏休みを短縮して8月27日前後に授業を始め、創立記念日も休校にしない。もちろん秋休みは一切取らない。この傾向が進めば、そのうち週休二日制も見直されるときが来るのではないかと心配になります。
全国統一テストが実施されるようになり、学力の低下が声高に叫ばれ始めました。しかし、学力不足は授業時数や授業日数を確保すれば解消する問題なのでしょうか。そもそも日本が目指している学力の基準は正しいのかどうか。アメリカなどのようにもっと余裕をもった教育は本当にダメなのでしょうか。「ゆとりの教育」は否定されてしまいましたが、問題があったとすればゆとりの時間に「総合学習」が入ったことではないのかと、私はかねがね思っていました。
総合学習は確かに学習の集大成として理想的なのかも知れませんが、手順があまりに複雑で時間がかかりすぎます。そのような学習は、高校や大学に行ってからでも遅くはないでしょう。総合学習の時間に、国語力を強化するような学習を取り入れたとしたら、学力の低下と呼ばれている現象はある程度回避できたかも知れません。また、総合学習の時間を持てあましてしまった学校の中には、その時間を学級活動の時間に流用してしまったり、多目的授業に変えてしまったところもあったに違いありません。
ここ数年の様々な反省を元に、各教科の授業時数は増加します。例えば、私が担当している英語は、週3時間から週4時間に増えますが、ここでお願いしたいのは、授業時数の増加と同時に教員数も増加させて欲しいということです。そうでなければ、学校教育の中の「ゆとり」は全て奪われてしまうことになります。「無免許運転」の教員で代用することもダメ。人件費を浮かすために、臨時採用教員や時間講師を多用することもできれば避けたい。とにかく、十分な教材研究もできないまま、昔の詰め込み教育を復活させるとしたら、被害に遭うのはもちろん生徒たちです。
もうすぐ始まる新しい教育制度は、すぐに否定するわけにはいかないでしょうが、「ゆとり教育」のどこが悪かったのかという検証だけは、今後も続けていって欲しいと思います。そして、学校に必要な本当の「ゆとり」だけは奪わないで欲しい。
さて、今日で「教育つれづれ日誌」は最終回を迎えます。独断と偏見に満ちた私の投稿を読んで下さって本当にありがとうございました。つれづれ日誌の原稿を書きながら、自分自身の考え方も見直すことができましたし、またいろいろな話題に意図的に注意を向けるいいきっかけにもなりました。私は、第2期と第7期の2回執筆陣に加えていただいたのですが、民間に出ていた第2期の方が、面白い記事をたくさん書いていたような気がします。教員に戻ってしまうと記事がつまらなくなるということは、反省しなければならない点が多々あるということでしょう。教員生活の忙しさに紛れて、多方面に興味を持つ努力を怠っていたのかも知れません。もっと本も読み、音楽も聴き、映画も観て、楽しい記事が書ける教員になりたいと思います。それでは、またお会いできることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
全国統一テストが実施されるようになり、学力の低下が声高に叫ばれ始めました。しかし、学力不足は授業時数や授業日数を確保すれば解消する問題なのでしょうか。そもそも日本が目指している学力の基準は正しいのかどうか。アメリカなどのようにもっと余裕をもった教育は本当にダメなのでしょうか。「ゆとりの教育」は否定されてしまいましたが、問題があったとすればゆとりの時間に「総合学習」が入ったことではないのかと、私はかねがね思っていました。
総合学習は確かに学習の集大成として理想的なのかも知れませんが、手順があまりに複雑で時間がかかりすぎます。そのような学習は、高校や大学に行ってからでも遅くはないでしょう。総合学習の時間に、国語力を強化するような学習を取り入れたとしたら、学力の低下と呼ばれている現象はある程度回避できたかも知れません。また、総合学習の時間を持てあましてしまった学校の中には、その時間を学級活動の時間に流用してしまったり、多目的授業に変えてしまったところもあったに違いありません。
ここ数年の様々な反省を元に、各教科の授業時数は増加します。例えば、私が担当している英語は、週3時間から週4時間に増えますが、ここでお願いしたいのは、授業時数の増加と同時に教員数も増加させて欲しいということです。そうでなければ、学校教育の中の「ゆとり」は全て奪われてしまうことになります。「無免許運転」の教員で代用することもダメ。人件費を浮かすために、臨時採用教員や時間講師を多用することもできれば避けたい。とにかく、十分な教材研究もできないまま、昔の詰め込み教育を復活させるとしたら、被害に遭うのはもちろん生徒たちです。
もうすぐ始まる新しい教育制度は、すぐに否定するわけにはいかないでしょうが、「ゆとり教育」のどこが悪かったのかという検証だけは、今後も続けていって欲しいと思います。そして、学校に必要な本当の「ゆとり」だけは奪わないで欲しい。
さて、今日で「教育つれづれ日誌」は最終回を迎えます。独断と偏見に満ちた私の投稿を読んで下さって本当にありがとうございました。つれづれ日誌の原稿を書きながら、自分自身の考え方も見直すことができましたし、またいろいろな話題に意図的に注意を向けるいいきっかけにもなりました。私は、第2期と第7期の2回執筆陣に加えていただいたのですが、民間に出ていた第2期の方が、面白い記事をたくさん書いていたような気がします。教員に戻ってしまうと記事がつまらなくなるということは、反省しなければならない点が多々あるということでしょう。教員生活の忙しさに紛れて、多方面に興味を持つ努力を怠っていたのかも知れません。もっと本も読み、音楽も聴き、映画も観て、楽しい記事が書ける教員になりたいと思います。それでは、またお会いできることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
石山 等(いしやま ひとし)
横浜市立中田中学校 英語科 教諭
52歳。4年半のブランクを経て、教育界に復帰しました。最初に担任したのが3年生の素晴らしい子どもたちで、昔の元気一杯だった自分を思い出させてくれて、心から感謝しています。
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