前回に続いて『宮忍者のおきて』「あいさつ、返事、ありがとう」から、その二「返事」の実践(道徳の授業)を紹介します。
「今日は、おきてを守るシリーズの2として、返事について学びます。」
「はい。」
「では、道徳ノートに日付とテーマをしっかり書いてください。」
いつものように淡々と進めます。
「では、早速、(1)返事はどのようにするのがいいか、ノートに書いてください。」
3分ほどして、
「書けた人は、発表してください。」
書けた子は、立って発表します。
・にこにこ笑顔で言う。
・大きな声で言う。
・呼ばれている方を向いて言う。
・はっきり言う。
・ていねいに言う。
・正しく返事を言う。
・心を込めて言う。
・元気な声で言う。
・いい気持ちで言う。
全員の発表が終わったところで、
「確かに、そういう返事ができるといいですね。ところで、(1)で書いたことができているか、できていないか、ノートに書いてください。」
1分ほどして、その結果を聞くと、4人が「できている」で、20人が「できていない」と書いていました。
そこで、
「『返事とは何か』を教えるので、まず、しっかり聞いて、その後でノートにも書いておきましょう。」
と言い、返事は漢字で書くと『返す事』だと教えました。だから、相手に声がはっきり聞こえなければ返事ではないという説明をしました(写真 上)。
「では、返事についてわかったところで、これからどのような返事をするか、ノートに書いてください。」
と言い、返事に対する行動目標を書かせ、発表してもらいました(写真 下)。
そして、よい返事ができるつもりになっている子ども達に、
「2年3組の皆さん。」
と呼びかけてみました。すると、すぐに
「はい。」
という返事が返ってきました。ちょっと首をかしげながら、
「今、してくれた返事を文字で書くとどうなりますか。空書きをしてください。」
「はい。」
「では、どうぞ。」
子ども達は、どの子も思った通り、「はい」の二文字を書いていました。その二文字を板書しながら、
「なるほど・・だから、声は大きいんだけど、今一つだったんだねぇ。実は、『はい。』 はいい返事ではないんだよ。」
と言いました。意外な顔をしている子が多い中、
「よい返事をする子の返事をよく聞いてみると、『はい。』ではないのです。何だと思いますか。」
「・・・」
「では、Aくん。」
よい返事をするAくんを呼んで、返事をしてもらい、
「みなさん、今の返事はどうですか。」
「すごくいい返事です。」
「そうですね、立派な2年生の返事ですよね。何で、いい返事に聞こえるかというと、Aくんの返事は『はい。』ではないのです。」
もう一度、Aくんを呼んで返事をしてもらい、
「実は、よい返事は『はい。』ではなく、『はいっ。』なのです。では、みんなも『はいっ。』 という返事を言ってみましょう。」
「はい。」
「まだ、『はい。』だね。小さい『っ』を意識してはっきり言うようにしましょう。」
「はいっ。」
「もう一度。」
「はいっ。」
「そうです。ノートに書いたことも大切ですが、今、練習した返事を普段からやりましょう。」
「はいっ。」
もちろん、この授業だけで、返事が完璧になるわけではありません。返事の意義や返し方を具体的に知ることが大切なのです。そして、教師が率先して、いい返事「はいっ。」を返していくことが重要なのです。
「今日は、おきてを守るシリーズの2として、返事について学びます。」
「はい。」
「では、道徳ノートに日付とテーマをしっかり書いてください。」
いつものように淡々と進めます。
「では、早速、(1)返事はどのようにするのがいいか、ノートに書いてください。」
3分ほどして、
「書けた人は、発表してください。」
書けた子は、立って発表します。
・にこにこ笑顔で言う。
・大きな声で言う。
・呼ばれている方を向いて言う。
・はっきり言う。
・ていねいに言う。
・正しく返事を言う。
・心を込めて言う。
・元気な声で言う。
・いい気持ちで言う。
全員の発表が終わったところで、
「確かに、そういう返事ができるといいですね。ところで、(1)で書いたことができているか、できていないか、ノートに書いてください。」
1分ほどして、その結果を聞くと、4人が「できている」で、20人が「できていない」と書いていました。
そこで、
「『返事とは何か』を教えるので、まず、しっかり聞いて、その後でノートにも書いておきましょう。」
と言い、返事は漢字で書くと『返す事』だと教えました。だから、相手に声がはっきり聞こえなければ返事ではないという説明をしました(写真 上)。
「では、返事についてわかったところで、これからどのような返事をするか、ノートに書いてください。」
と言い、返事に対する行動目標を書かせ、発表してもらいました(写真 下)。
そして、よい返事ができるつもりになっている子ども達に、
「2年3組の皆さん。」
と呼びかけてみました。すると、すぐに
「はい。」
という返事が返ってきました。ちょっと首をかしげながら、
「今、してくれた返事を文字で書くとどうなりますか。空書きをしてください。」
「はい。」
「では、どうぞ。」
子ども達は、どの子も思った通り、「はい」の二文字を書いていました。その二文字を板書しながら、
「なるほど・・だから、声は大きいんだけど、今一つだったんだねぇ。実は、『はい。』 はいい返事ではないんだよ。」
と言いました。意外な顔をしている子が多い中、
「よい返事をする子の返事をよく聞いてみると、『はい。』ではないのです。何だと思いますか。」
「・・・」
「では、Aくん。」
よい返事をするAくんを呼んで、返事をしてもらい、
「みなさん、今の返事はどうですか。」
「すごくいい返事です。」
「そうですね、立派な2年生の返事ですよね。何で、いい返事に聞こえるかというと、Aくんの返事は『はい。』ではないのです。」
もう一度、Aくんを呼んで返事をしてもらい、
「実は、よい返事は『はい。』ではなく、『はいっ。』なのです。では、みんなも『はいっ。』 という返事を言ってみましょう。」
「はい。」
「まだ、『はい。』だね。小さい『っ』を意識してはっきり言うようにしましょう。」
「はいっ。」
「もう一度。」
「はいっ。」
「そうです。ノートに書いたことも大切ですが、今、練習した返事を普段からやりましょう。」
「はいっ。」
もちろん、この授業だけで、返事が完璧になるわけではありません。返事の意義や返し方を具体的に知ることが大切なのです。そして、教師が率先して、いい返事「はいっ。」を返していくことが重要なのです。
大谷 雅昭(おおたに まさあき)
群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。
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