1学期が終わり、担任する子どもと子ども達の成長について、様々な面から総括しています。
本クラスでは、学級開きの日から『宮忍者になろう』を合い言葉に、「みんなにやさしく、文字や数字を自由に操り、すばやく行動する忍者」を目指して、日々の修業に励んできました。
ちなみに、「宮」は、本校が上州(群馬県)一ノ宮と言われる貫前(ぬきさき)神社の門前町にあり、一ノ宮小学校であることを表しています。
さて、その「宮忍者のおきて」の第一に、「あいさつ、返事、ありがとう」があります。別に変わったことでもなく、多くの先生方も指導の重点としているものだと思います。ただ、私はその意義づけをして、実践から習慣にして身に付けるようにしています。今回は、「あいさつ」について紹介します。
学級開きの日に、
「この学級は、宮忍者になろうとする学級です。その宮忍者のおきての第一は、『あいさつ、返事、ありがとう』です。2年生になったみなさんなら、きちんと言えるはずです。 このおきてを守って、宮忍者になるための修業をしていきましょう。」
「はい。」
というようなことを言っておきました。そして5月に、いわゆる『ふわふわ言葉とチクチク言葉』の本学級バージョン『あったか言葉(忍者言葉)といじめ言葉(外道衆言葉)』を授業(道徳)を行い、その翌週に次のような「あいさつ」の授業(道徳)を行いました。
「みんなは、宮忍者になるための『忍者のおきて』を知っていますね。」
「はい。」(全員が返事をする。)
「それは、何ですか、言える人は立って言ってください。」
「『あいさつ、返事、ありがとう』です。」
「そうです、『あいさつ・返事・ありがとう』ですよね。もう1カ月も入口のドアに貼ってありますから、覚えていますね。このおきては、どうすればいいのでしょうか。」
「いつも言います。」
「誰にでも言います。」
「そうですね、いつでも誰にでも言うものですよね。先生はみんなが『ありがとう』とよく言ってるのを聞きます。ところで、『おはようございます』もいつでも誰にでも言っていますか。今朝、友だちにきちんと言えた人は、手を挙げてください。」
「はい。」(全員が手を挙げる。)
「うーん、いつでも誰にでも『おはようございます』と言ってたかなぁ・・。なぜ、そんなことを言うかというと、みんなは教室に入る時に、確かに大きな声で『おはようございます』と言ってくれます。でも、それに対する返事としての『おはようございます』を言うのは先生だけだったような気がしますが・・。」
「・・・」
「では、ポケモンチームのみなさん(8人)は、ランドセルを背負って廊下に出てください。そして、いつものように『おはようございます』と言って、一人ずつ教室に入ってきてください。でも、教室にいるみんなは、何も言わないでください。」
(そう言って、ロールプレイを行う。写真上)
「では、もう一回、ポケモンチームのみなさん、お願いします。ただし、今度は、教室にいるみんなは『おはようございます』と言われたら、『おはようこざいます』と返してください。」
(2回目のロールプレイを行う。)
「ポケモンチームのみなさん、ありがとうございました。1回目と2回目では、どっちがいいなと思いましたか。」
「2回目です。」(と、ポケモンチーム全員が言う。)
「それは、どうしてですか。」
「2回目の時は、『おはようございます』と言ってくれて、うれしかったからです。」
「『おはようございます』と言ってくれて、いい気持ちがしたからです。」
「『おはようございます』と言ってくれて、あったかい気持ちがしたからです。」
「なるほど。そうなんです、最後の子が言ってくれたように、あいさつは、実は、『あったか言葉』にもなるんです。逆に、あいさつを返さないと無視することになり、言葉には出していないけど『いじめ言葉』になってしまうのです。」
(黒板に、「『おはよう』があったか言葉になる」と書く。)
「では、道徳ノートに、『今からすること』(行動目標)を書いてください。」(写真下)
もちろん、この授業だけで、「あいさつ」がいつでもどこでも誰にでもできるようになるわけではありません。だからといって、朝から「おはようございます」の声が十分でないからと言って、叱るようなことはしません。
「おはよう」を返す子どもが少ないと感じた時は、つまり、自分のことだけや他を気にしない言動が見られた場合は、「あれ~、何か変だねぇ。」や「教室に今、何人いるのかなぁ。」「このクラスは宮忍者がいるんだよねぇ。」という発言をします。知識として知っていることを、行動に移す気付きと勇気づけを行います。すると、子ども達は自分から行動するようになります。
「おはよう」にこだわったことで、「さようなら」は指導しなくても、大きな声で元気よく言えるようになっています。
布石を打ち、伏線化を図り、全面展開を導くように仕掛けています。
夏休みで、元に戻るところも多いと思います。でも、根本を教えておけば、思い出せばできるはずと考えています。
早くも2学期が楽しみです。
本クラスでは、学級開きの日から『宮忍者になろう』を合い言葉に、「みんなにやさしく、文字や数字を自由に操り、すばやく行動する忍者」を目指して、日々の修業に励んできました。
ちなみに、「宮」は、本校が上州(群馬県)一ノ宮と言われる貫前(ぬきさき)神社の門前町にあり、一ノ宮小学校であることを表しています。
さて、その「宮忍者のおきて」の第一に、「あいさつ、返事、ありがとう」があります。別に変わったことでもなく、多くの先生方も指導の重点としているものだと思います。ただ、私はその意義づけをして、実践から習慣にして身に付けるようにしています。今回は、「あいさつ」について紹介します。
学級開きの日に、
「この学級は、宮忍者になろうとする学級です。その宮忍者のおきての第一は、『あいさつ、返事、ありがとう』です。2年生になったみなさんなら、きちんと言えるはずです。 このおきてを守って、宮忍者になるための修業をしていきましょう。」
「はい。」
というようなことを言っておきました。そして5月に、いわゆる『ふわふわ言葉とチクチク言葉』の本学級バージョン『あったか言葉(忍者言葉)といじめ言葉(外道衆言葉)』を授業(道徳)を行い、その翌週に次のような「あいさつ」の授業(道徳)を行いました。
「みんなは、宮忍者になるための『忍者のおきて』を知っていますね。」
「はい。」(全員が返事をする。)
「それは、何ですか、言える人は立って言ってください。」
「『あいさつ、返事、ありがとう』です。」
「そうです、『あいさつ・返事・ありがとう』ですよね。もう1カ月も入口のドアに貼ってありますから、覚えていますね。このおきては、どうすればいいのでしょうか。」
「いつも言います。」
「誰にでも言います。」
「そうですね、いつでも誰にでも言うものですよね。先生はみんなが『ありがとう』とよく言ってるのを聞きます。ところで、『おはようございます』もいつでも誰にでも言っていますか。今朝、友だちにきちんと言えた人は、手を挙げてください。」
「はい。」(全員が手を挙げる。)
「うーん、いつでも誰にでも『おはようございます』と言ってたかなぁ・・。なぜ、そんなことを言うかというと、みんなは教室に入る時に、確かに大きな声で『おはようございます』と言ってくれます。でも、それに対する返事としての『おはようございます』を言うのは先生だけだったような気がしますが・・。」
「・・・」
「では、ポケモンチームのみなさん(8人)は、ランドセルを背負って廊下に出てください。そして、いつものように『おはようございます』と言って、一人ずつ教室に入ってきてください。でも、教室にいるみんなは、何も言わないでください。」
(そう言って、ロールプレイを行う。写真上)
「では、もう一回、ポケモンチームのみなさん、お願いします。ただし、今度は、教室にいるみんなは『おはようございます』と言われたら、『おはようこざいます』と返してください。」
(2回目のロールプレイを行う。)
「ポケモンチームのみなさん、ありがとうございました。1回目と2回目では、どっちがいいなと思いましたか。」
「2回目です。」(と、ポケモンチーム全員が言う。)
「それは、どうしてですか。」
「2回目の時は、『おはようございます』と言ってくれて、うれしかったからです。」
「『おはようございます』と言ってくれて、いい気持ちがしたからです。」
「『おはようございます』と言ってくれて、あったかい気持ちがしたからです。」
「なるほど。そうなんです、最後の子が言ってくれたように、あいさつは、実は、『あったか言葉』にもなるんです。逆に、あいさつを返さないと無視することになり、言葉には出していないけど『いじめ言葉』になってしまうのです。」
(黒板に、「『おはよう』があったか言葉になる」と書く。)
「では、道徳ノートに、『今からすること』(行動目標)を書いてください。」(写真下)
もちろん、この授業だけで、「あいさつ」がいつでもどこでも誰にでもできるようになるわけではありません。だからといって、朝から「おはようございます」の声が十分でないからと言って、叱るようなことはしません。
「おはよう」を返す子どもが少ないと感じた時は、つまり、自分のことだけや他を気にしない言動が見られた場合は、「あれ~、何か変だねぇ。」や「教室に今、何人いるのかなぁ。」「このクラスは宮忍者がいるんだよねぇ。」という発言をします。知識として知っていることを、行動に移す気付きと勇気づけを行います。すると、子ども達は自分から行動するようになります。
「おはよう」にこだわったことで、「さようなら」は指導しなくても、大きな声で元気よく言えるようになっています。
布石を打ち、伏線化を図り、全面展開を導くように仕掛けています。
夏休みで、元に戻るところも多いと思います。でも、根本を教えておけば、思い出せばできるはずと考えています。
早くも2学期が楽しみです。
大谷 雅昭(おおたに まさあき)
群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。
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