2010.07.01
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動画作りの面白さ 幸せ度50%

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

ここ数年でネット動画が一気に広がりを見せ始めています。イギリスの歌手スーザン・ボイルさんをご存知の方も多いでしょうが、動画がインターネット上で流れることにより人生までが大きく変わってしまうことも現実に起きています。
 動画サイトは今やネット上にあふれ、動画を取り上げたテレビ番組も続々と登場していますね。また教育の分野でも、「デジタルコンテンツ」と呼ばれるものの中に動画が多数製作され、授業でも効果を挙げています。今回はその動画の教育的利用について考えてみます。
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 私の勤務している本郷小学校では、5年生の総合的な学習の時間に、「デジタル動画鑑賞会を開こう」という単元があります。先週からその授業が始まりました。グループごとにデジタルカメラを1台ずつ渡し、1分程度の動画作品を制作するというものです。グループで何かを作り上げる活動は児童にとって楽しいのですが、通常とても時間がかかってしまうものです。しかし、今回の動画作りは違いました。デジタルカメラの撮影方法やパソコンへの保存方法を一通り覚えると、あっという間に楽しい動画を撮ってきました。例えば、

☆かくれんぼ
☆おにごっこ
☆テーブルクロス引き
☆遠近を利用して、はしで人間の頭をつまむ

また、早送りや逆再生を利用してより効果的におもしろくするなど、子どもたちのアイデアは天才的です。
 そうそう。思い出しましたが、私が30年前、中学生の頃、学校にあった8ミリカメラで、給食試食の様子を早送りで撮影し、集会で見せたことがありました。1コマ1コマシャッターを切り、撮影したものをカメラ専門店に現像に出したものでした。それに比べるとあまりにも手軽。うーん手軽すぎていやなくらい手軽です。隔世の感があります。

 ただ指導し忘れていけないのは『情報モラル』。個人情報や著作権の問題を取り上げることは必ず必要なことです。情報モラルもネットの流行に合わせていかなければならないわけで、この授業の中でごく自然に起きるであろうトラブルを題材に体験を通して学ばせていこうと思います。ネットの光と影は表裏一体。最初に取り上げたスーザン・ボイルさんも世界中から注目され、誹謗中傷などを浴びたことで一時つらい思いもしたようです。そういうわけで人生を変えてしまう可能性のある動画の幸せ度も50%としました。
 さて今週も子どもたちの頭脳から、どんな楽しい動画が飛び出すか楽しみです。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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