2010.06.17
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ICTの利用は福祉に学ぶべきである  でも幸せ度1.8%

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

 6月11日の朝日新聞に「秋田県立大が電子白杖を開発した」という記事が載っていました。その記事によると超音波のセンサーで物体を感知し、前方や上方にある2m先の物体を感知して振動で知らせることができるそうです。これが市販されれば目の不自由な人の歩行が以前よりずっと楽になりそうですね。すばらしいことです。
 私は、『ICTの利用は福祉に学ぶべきである』と考えます。とある特別支援学校を見学した際にも、ICT利用のすばらしさを感じることができました。例えば今ではだいぶ普及している『音声読み上げ機能つきのパソコンや携帯電話』。自分の打った文章やインターネットの画面、メールの文字などを読み上げてくれる機能です。私の友達に視覚障害者のお母さんがいますが、その方とは昨年から携帯メールのやり取りをしています。相手の方はこの音声読み上げ機能を利用して私の伝えたいことを理解してくれているのです。また立体コピー機・現像機。これはコピーしたものをコピー機と接続された現像機が立体的に浮き上がらせるもので、この機械で作った教材で、視覚に障害のある人が触覚を使って学習する事ができます。
これ以外にも、障害で体のほとんどが動かせなくなった人が、瞬き一つで、あるいは首の動き一つでパソコンに文字を入力できる機器もすでに開発されていることは多くの人がご存知でしょう。
 この事実を目の当たりにすればだれもが感動するはずです。「不可能が可能になる」ことや「困難(障害)が軽減される」ことで人々に夢や感動を与えることができるのです。科学技術のすばらしさですね。
 情報社会はますます進展していきますが、このような利用の仕方が、俗に言う「情報の光の中心部分」と言えるのではないでしょうか。
 と言うことで、ICTの福祉利用は幸せ度100%。でも現実にはそれは、1.8%にも満たないです。この1.8という数字は、企業の障がい者法定雇用率です。でもこの数字を超えていくことは、ICTの進展によってけっして不可能ではありません。
 今後この分野でのICT技術がますます高まっていくことを願っています。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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