2010.05.06
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ネットパワーについて 幸せ度5%

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

 ようやく暖かな日差しが戻ってきた日本列島。
 みなさまいかがお過ごしですか。
 ゴールデンウィーク中ですが、お仕事でお忙しい皆さんもいることでしょう。お疲れ様です。
 さて、前回は大胆にも「ネット社会 今年度のキーワード予測」をしてみました。
今日はその中の一つ「ネットパワー」について考えてみたいと思います。
 
 ★★★前回の私の意見
 ネット上での呼びかけに人々が反応し、デモや集会が超大規模で行われる。
 このようなことがすでに世界各地で行われています。恐ろしいことです。人はその情報の真偽をいったいどこで、何を基準に判断しているのでしょう。日本でも選挙運動のネット解禁が検討されています。そうなれば日本でもネットは一気にパワーを持ち始めるでしょう。

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 正しい情報はいったいどうやって得られるのでしょうか。特に、ネットだけで得られるものなのか・・・・・。

 先週、授業参観がありまして、5年生の社会科「日本のコメ作り」を取り上げました。その中で子どもたちに伝えた情報の適切な扱い方のポイント。

 その(1):2つ以上の情報から判断する。~今回の場合は、教科書、地図帳の統計資料、資料集の3つから情報が得られます。必ずいくつかの情報を得ること。

 その(2):いつ、どこからの情報なのかをチェックすること。~地図帳の統計資料は2007年、資料集は2009年の資料でした。どちらが新鮮な情報か、2年間でどんな変化があったか、そんな問題を投げかけてみると、子どもたちは生き生きと調べ始めました。

 その(3):本やネットだけに頼らず、人に聞く。~この日の授業で一番おもしろかったのは資料からの情報ではなく、家の人にインタビューして得られた情報でした。例えば、
・クラスの子供たちの家では、コメ作りをしている家庭がほとんどだったこと。
・すべての家庭で「コシヒカリ」を作っていること。
・「コメ作りでどんな努力をしているのか」という問いに対しての答え~愛情、気合い

 これらの結果に子どもたちも、参観している保護者の方も、そしてわたしも一番興味をそそられました。

 今回授業ではインターネットをあえて使いませんでした。ネットから正しい情報を得ようとする前に、書物に当たる、人に聞く。この基本を忘れてほしくなかったからです。

 ネットパワーとはだいぶかけ離れた内容になってしまいましたが、ネットだけに頼らない、ネット信仰に陥らないように十分気をつけていく態度が地球上のすべての人に必要なリテラシーになりつつあります。

 そこで結論!ネットパワーの幸せ度は5%くらいかな。
 あっ、これって最近減ってしまった私の給料の割合と同じだ。
 トホホホ・・・・・。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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