2010.04.07
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開かれた学校、風通しのよい学校

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長 安居 長敏

教師が聖職と呼ばれ、学校が特別な場所だというのは過去の話で、今やその閉鎖性が揶揄されるようになった。特に公立では、厳しいことひとつ言おうにも、世間の顔色を窺いながら、さまざまな保護者に対応すべく、「かくあるべし」という強い指導がしにくくなっている。

私学とてその流れは同様で、カラーを強烈に出し、独自の教育方針で突き進める学校と、公立ナイズされた体制で、いわば公立補完校という立場にある学校と、大きく二極分化が進んでいる。

もちろん、私学の魅力は前者であり、それでこそ存在価値を発揮できるわけだが、昨今の厳しい情勢の中、生徒確保を考えれば独自性ばかりも言っておれず、後者の流れに乗ってしまった学校は、せめて平均的な公立程度の教育はしなければと躍起になっている。

学校に限らず、企業や商店、自治体、あるいは様々な組織すべてにおいて、中途半端な立ち位置にあるモノはその存在価値を持ちにくくなっている。どれだけ「らしさ」を打ち出すことができるかが鍵だ。良くも悪くも、「他にはない独自性」がなければ必要とされない。

人間に例えるなら「個性」。それがどこまで発揮できるかが、いま最も問われている。

さて、よく考えてみてほしい。個性のない人っているだろうか。極めて平均的、どこにでもいるような人といったって、個性を持っていないのではなく、外に出していないだけで、それが周囲から見えないが故に「没個性」に陥ってしまっているだけだろう。

そう、もっともっと心を開き、気持ちの風通しをよくして、自分を外に出していければ「自分らしさ」は自然と醸し出されていくのだ。

振り返って本校はどうか。いま一番欠けているのは、冒頭に挙げた「過去の学校像」に囚われるあまり、内からの発信を閉ざしてしまっていることではないのだろうか。もっともっと風通しをよくして、保護者や地域に学校をオープンにし、どんどん情報発信、意見交流をしていくことが必要だ。

周囲との「ココロとカラダの対話」が、今こそ欠かせない。

第七期もどうぞよろしく!

安居 長敏(やすい ながとし)

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。

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