2010.03.24
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年度末に

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 この原稿の公開日の3月24日は、群馬県公立小学校の卒業式が行われる日です。これまでは小学校教諭として、卒業式を主催する側でしたが、今年は初めて見る側にまわりました。それは、長男の卒業式に参加したからでした。

 年度末は、大きな節目であります。学校にとっても、一つの学年が終わり、上の学年に進級進学となる大きな変化を迎える時期です。ところが、年度末・年度始めの事務的作業が膨大にあり、1年間の省察をほとんどしないで終わってしまいます。
 では、どんな省察が必要なのでしょうか。
 各教科等の達成度でしょうか。それとも、子ども達の生活や態度の向上度合の検証でしょうか。担任した子ども一人一人の成果と課題の洗い出しでしょうか。
 できれば、そういうことも必要でしょうが、現実的にはなかなか難しいでしょう。

 この冬は、冬らしい寒さや降雪がありながら、20度を超えるような日もありました。
 また、3月10日には気象庁から高知市で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表があり、平年より13日、昨年より6日早く、観測史上最速タイだったそうです。
 同じ10日には、青森県八戸市で61センチの積雪を記録し、3月の観測史上最高を更新したそうです。
 こうした事実は、単に、日本列島は南北に長く、気候や自然などに大きな違いがあるというレベルを越えていると思います。つまり、地球温暖化による異常気象の表れと、受け取ることができるということです。そして、ありえないことが頻発する現状は、地球が着実に危機的状況に向かっていると、とらえることもできます。

 さて、年度末、卒業式や修了式を迎える時、私が自己評価をする観点があります。
 それは、担任した子ども達に、「今、地球規模で起きている問題(主に、地球温暖化)に対して、発達段階に合わせて感じる力と行動できる力を付けたか」「日本のよさを感じる力を付けたか」です。
 前者は正にこれからを『生きる力』であり、後者は『人間としての感性を磨く』ことをねらいとしています。つまり、教育の目的にも、つながっているということです。
 こうした観点で、学年の修了を迎える子ども達をながめ、自己評価することで、次年度の自己課題が見えてきます。

 今年は、この観点を持って、長男の卒業式に参加しました。単に、「感動的な卒業式でした」という過去形ではなく、これからの困難な時代を生きる力を付けられたことに感動し、次への大きな期待が持てたらよいと思っています。

 今年は、より客観的な年度末を迎えることになりそうです。

 年々、桜の開花が早まる傾向にありますが、卒業式の花となることなく、いつもでも日本の入学式を象徴する花であってほしいと願っています。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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