2010.03.11
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心に残る本との出合い『永遠の仔』

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

 最近1冊の本を読み終えました。タイトルは『永遠の仔』(作:天童荒太)。読み終えた後、感情が一気に高まり涙が止まらなかった。こんな経験は久しぶりです。
 1999年に出版され大ベストセラーとなり、テレビでも放映されましたから、すでに読まれた方もたくさんいらっしゃるでしょう。三人の少年少女が親から受けたさまざまな虐待。その傷を背負いながらも懸命に生きていこうとする話です。
 ★★★読み終えてまず感じたことは・・・・・・
 子どもとは、こんなにもけなげな存在なのかということです。どんなにつらいことをされても、突き放されても子どもは親を求め、心の奥底では「認めてもらいたい。愛してもらいたい。」と思っている。
 ★★★子どもへの見方が変わった!
 私は小学校に勤務し、日々子どもたちに接しています。その一人ひとりの心の中には、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒り、迷い、あきらめなどがあるのではないか。しかし同時に夢や未来ももっている。子どもたちを見つめるときにその裏側にある感情まで推し量っていきたいと改めて思いました。
 ★★★児童虐待について
 この本を読んでから、最近の新聞記事の中で「児童虐待」の記事がかなり多いことにつらい思いを感じています。虐待件数は増加し続けています。虐待を受けた子が、適切な支援を受けられないと、親になったときに今度は自分が虐待を行ってしまうケースも多いのでしょう。地域、学校、その他関係諸機関がしっかりとサポートできる体制ができないものでしょうか。また貧困、就職難なども児童虐待と密接に絡んでいます。それぞれの立場で、みんなが幸せになれる社会作りをしっかりと考えていく必要があると感じました。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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