2010.02.25
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印刷メディアVS電子メディア

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

今年は国民読書年らしいですね。本離れ、活字離れが進んでいるのが現状ですから、それらに歯止めをかけることをねらっているのでしょう。本校の子ども達の様子を見ていても、進んで図書室の本を借りる児童は正直多いとは言えません。もっともっと本や新聞などの活字を読んでもらいたいと思います。
昨年こんな授業を実施してみました。

6年生の理科で地震や火山についての学習があります。教科書を中心に一通りの学習をした後、自分で調べ学習をする時間を取りました。その際、「図書室で調べても、パソコン室で調べてもどちらでもいいよ。」と投げかけました。

・・・印刷メディアVS電子メディア・・・

理科室からスタートして、多くの児童が向かった先は・・・・。
ほとんどの児童がパソコン室でした。途中数名の児童が図書室に流れましたが、結局4分の1の児童しか図書室には行きませんでした。
電子メディアの勝ちでしょうか。
パソコン室にいる児童は、子供向けに作られたインターネットのポータルサイトから地震について検索できていました。数多くのパソコンが置いてあるパソコン室では、お互いによりよいページを教えあいながらの学びあいもできます。一度に同じ情報を無料で得ることができる。正に、情報革命ですね。
でも・・・・・・・
子ども達がまとめたノートを比べてみると、本で調べた子の方が、深いというかしっかりまとめてあるという感じがします。それに対して、インターネットで調べた子の方は、表面的という感じ。
あくまで印象なのですが、そんな気がします.

・・・インターネットでは「知の体系化」が図れない。・・・

そんな言葉を聞いたことはありませんか?今学習している事柄が何をもとにしているのか、どんな領域の内容なのか、何と関連しているのか。そのことを踏まえて学習するためには、電子メディアより印刷メディアのほうが優れているのです。
今後、ネット社会はますます進みます。しかし本は無くならない。無くしてはいけないのです。特に教育の分野では不可欠なものだと思います。
もっともっと本を読む子に育ってほしい。
そのためにいったいどうしていったらよいのか。
今年一年をかけて、国民のみなさんで考えていく必要があるように思います。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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