2010.02.18
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スケート、父と娘の約束

軽井沢SOBO 代表 今野 篤

軽井沢で冬のスポーツといえば、みなスキーやスノーボードを挙げる。また、アイスホッケーも町内にチームがあり有名だ。少し変り種としては、カーリングがある。あのほうきで掃除するみたいなあれである(失礼!)。国際大会も軽井沢で開かれており、大変活発である。そんな中、うちの娘はアイス・スケートを1年前から始めた。

実は軽井沢でスケートといえば歴史があり、つい最近までは学校にスケート場があった。残念ながら少し前に廃止になってしまったが。軽井沢ではないが、別の地区では保護者が集まって、学校にスケートリンクを作ることもあり、寒くて大変な作業らしい。

さてスケートだが、つい先日、軽井沢で今シーズン最後のスケート大会が開催された。娘は500m滑走に出場。ある理由から彼女はとても燃えていた。その結果はいかに…。

この大会の1ヶ月前、とあるスケート大会で娘はビリになってしまった。最後は滑りながら泣いていた。しかし、当然の結果だったと思う。というのは大会前の練習に今ひとつ力が入っていなかった。先生の目を盗んで怠けたり、スケート道具を忘れたり、時間を守らなかったりと散々であった。

その間、ライバル達はめきめきと力を付け、彼女を抜き去ってしまった。そして大会でビリになったわけだ。負けて当然だったかもしれない。しかし、彼女のリベンジはここから始まる。

と言っても、青春漫画に出てくるような特訓をするわけではなく、ただひとつの約束をした。それは「思いっきりスケートを楽しむこと」。実を言うと私はほんの少し前まで、「やるからには徹底的にやる」「なにがなんでも」と考えていた。ことにスケートに関しては厳しく、子供への押しつけが強かった。

しかし、そのような状況下において、子供は本来の力を発揮できるものだろうか。大半の子が委縮して、力の半分も出せないようなが気がする。親の期待値がその子の能力を上回ると、逆効果になる。

私が尊敬しているひとりに、元大リーガーのカル・リプケン・ジュニアがいる。2632試合も連続出場した鉄人だ。その彼が後年、少年野球を教えているときに感じたことがある。それは親が、本来野球は楽しむものなのに、期待のあまり子供にプレッシャーを与え、過度の練習をさせてしまう。ことさら試合になると、親は勝負に執着し、檄を飛ばす。

彼は言う。『リプケン流』の教え。

一、シンプルに説明すること
(何事も単純に言い換えてあげないと子供は理解できない)
一、理由を説明してあげること
(子供は”なぜ?”と尋ねるのが好き。忍耐強く答えてやれば信頼感が得られる)
一、褒めてやること
(みな違った個性を持っている。その個性を引き出すまで褒め続ける)
一、楽しめるように仕向けること
(野球は大変なもの。だからこそ指導者は勝負にこだわらず、野球への愛情をそだててやることが大切)


今年最後の大会、やはり娘はビリだった。彼女の頬には涙が。スケートが好き。だからこそ悔しかったのだろう。私はそう思うと微笑まずにいられなかった。
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今野 篤(こんの あつし)

軽井沢SOBO 代表
学生時代、自転車でアラスカ1,500kmを縦断。2008年、住み慣れた千葉から、大自然で子どもを育てるべく長野の軽井沢に移住。毎日がアウトドア、四人の子どもを持つ。

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