2010.01.28
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歌を通してコミュニケーション

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

「はい息を回してー。」
「インナーマッスルをぐっと下げる。」
「うん、なかなかいいですね。」
 今日もY先生は、レッスンをサボりがちな私をそれと分かっていながらほめてくださいます。レッスンが終わったころは、身体中の血が元気よくめぐっているのが感じられます。

 実は私、7年ほど前から声楽を習っています。
月2回程度、近隣の市にある声楽教室にて。
今は来月にある教室の「おさらい会」の発表に向けてがんばっているところです。当日は日本歌曲「落葉松」と中学校の卒業式によく歌われる「旅立ちの日に」。それから先生とフィガロの結婚の中からデュエット曲を歌います。
 その「おさらい会」を私はいつも楽しみにしています。自分が舞台に立って歌うことよりも、生徒さん皆さんの歌をじっくり聞くのが実に楽しいのです。
 若年の方は、その若さやみずみずしさ、エネルギーを感じます。
 また年配の方には様々な経験の中からにじみ出る奥深さがなんとも言えずよいのです。
 先生は私より○歳若い女性のソプラノの先生です。
 歌が何より大好きなY先生。
 
 そのY先生に、ある時、自分の勤務している学校の合唱部についてアドバイスを求めたところ、学校に来て児童に直接指導してくださるということになりました。
 一度だけ児童の歌を聞いた先生は、子ども達のよさを的確にほめ、
「はい声を飛ばして。」
「言葉をはっきり。みんな俳優になったつもりで。」
「鼻をつまんでしゃべってみて。」
「いいよ。すごくいいよ。」
とほめながら、笑わせながらどんどん引き出していきました。
たかだか1時間程度で子ども達の声は確実に変わりました。

Y先生の指導のすごさとともに、歌ってすごい。心が通い合うんだなーとつくづく感じています。
歌はすばらしい。コミュニケーションです。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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