2010.01.21
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どんど焼き

軽井沢SOBO 代表 今野 篤

どんど焼きを知っていますか。小正月に行う全国的な火祭りのことなのだが、私は軽井沢に来てから初めて知った。場所場所で若干の違いがあれど、青竹やわら、杉の枝でやぐらを組んで、正月飾りや書き初めなどをいっしょに燃やしてしまう、なんとも盛大で壮大な祭りなのだ。やぐらは大きいものだと10mを超えると言う。我が区は、ほんの数mだが。

祭りの朝、会場である公民館までの道はカチンコチンだった。みんなペンギンみたいに、我先に急いで会場に向かう。会場につくと、あるあるやぐらが。既にやぐらは、正月飾りで見事にデコレーションされている。

この正月飾りは、子供たちが事前に近所のお宅にお邪魔して、かき集めたものである。アメリカにハロウィンがあるのならば、日本はどんど焼きである。しかし悲しいか、こちらでもらえるのは古くなった正月飾り…。「Trick or Treat」ならぬ「cool & collect」である。寒い中ご苦労であった。

いよいよ点火となると、みんな固唾を飲んでやぐらを見守っている。その眼差しは真剣だが、「寒いから早くつけて」と願っているのは私だけでないはずだ。いざ、点火されると、その光景はすごい。あたり一面にバチバチバチという音を轟かせ、熱い上昇気流が天に登っていく様子は、神がかり的な絵である。「熱い!」と思ったら、皆も顔を歪めている。なかなか寒暖の差が激しいお祭りである。

火が一息つくと、今度は子供達が我先にと、書き初めを投げ入れる。書き初めがうまく上昇気流に乗って天高くまで舞うと、字が上手くなるという言い伝えがある。ほとんどの子供達の書き初めが、空高く舞った。これで、今年の国語の成績は、皆「5」である。

火が小康状態になると、まゆ玉の登場である。まゆ玉とは、米を挽いた粉でお団子のように作ったものである。まゆ玉飾りにするものは白と赤の2種類作る。丸めたまゆ玉は、大鍋にかけてセイロで蒸し、蒸しあがったまゆ玉は団扇であおいで冷ます。冷めたらアルミホイールで包んで出来上がり。なかには、星型やユニークな形があって面白い。

このまゆ玉を残り火で焼いて食べる。まゆ玉を食べると、その一年無病息災と言われている。なかには、10個も20個も平気で平らげてしまう子供もいる。これだけ食べれば、皆、今年も元気いっぱいだろう。

日頃、外に出て来ない子供も、この日ばかりは外でハッスル。たくさんの子供を見て、「こんなに子供いるんだぁ」となんだか嬉しくなってしまった。どんど焼きは、今に残る良き祭りであった。


どんど焼きについて詳しくは、「どんど焼きは日本の国民的行事」(http://www.digi-ken.org/~archive/koshogatu.html)を見るとよいでしょう。
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今野 篤(こんの あつし)

軽井沢SOBO 代表
学生時代、自転車でアラスカ1,500kmを縦断。2008年、住み慣れた千葉から、大自然で子どもを育てるべく長野の軽井沢に移住。毎日がアウトドア、四人の子どもを持つ。

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