だいぶ日が短くなってきました。
いよいよ師走。一年の締めくくりで忙しくなりますね。
私は現在6年生担任。卒業文集の製作に熱が入っています。文集のテーマの中で、今年一番多いのが、「30人31脚に出場したこと」。そう、あのテレビ朝日主催の番組の地方大会に出場したのです。今回はその当日の様子について書いてみようと思います。
(1)会場へ
10月10日午前7時50分、保護者の皆さんに見送られ、大型バスで出発した6年生30人と5年生3人。保護者の皆さん3名と担任。行きの車内はまるで修学旅行のようでした。大黒パーキングについたのは午前10時20分。トイレ休憩と弁当積み込みをしていざパシフィコ横浜へ。みなとみらい地区の海岸沿いにありました。
会場に入ると、南関東大会の優勝チームが公式タイムトライアルに挑戦しているところでした。私はその様子をじっと観察。記録は9秒5。いきなりすごい記録を見てしまいましたが、本郷小チームは「完走すること」が目標。特に気にしませんでした。
(2)いよいよ
開会式の後、試走があり、5番目の本郷小はしっかりと完走しました。ゴール後にマットに倒れこむのも初めてでしたが問題なくできました。いつもどおりの走りで一安心。子どもたちもにぎやかで「作戦通り1回目はゆっくりでいいからゴールしようね。」などと話していました。チャンスは2回です。
(3)1回目なななんと!
さていよいよ1回目の走りです。他のチームの一糸乱れぬ動きに触発され本郷小チームも気合十分。キャプテンの「いくぞー。」の掛け声に全員で「オー。」を3回繰り返し、よいスタートを切りました。担任は5メートル先を走っていました。うん、よし。これでゴールだっ、とゴールマットを飛び越え振り返ったところ、なんとゴール直前で列が乱れて転倒してしまいました。倒れた子達に聞くと両側に引っ張られてしまったそうです。チーム全体がまっすぐ進めなかったためでした。
待機場所に移動すると、先程までのにぎやかさはどこへやら。全員言葉がなく、下を向いてしまいました。「これはまずい。」と思ったものの、担任自身もどうしてよいやら。同行していただいた保護者の方から、「視線が低かったですよ。もっと上を見るようにしたらいいのでは。」とアドバイスを頂きました。
(4)2回目 お見事!
2回目の走りはすぐにやってきました。「元気出して。いつもどおりでいいんだよ。1,2,1,2の速さで。ゆっくりでいいんだよ。」と何度も何度も励ましました。子ども達は口には出さなかったもののきっと「今度ゴールできなかったらどうしよう。」という不安でいっぱいだったでしょう。スタート位置につき全員で走る方向を指差して、視線を上げてまっすぐ走ることを話しました。担任はこれ以上どうすることもできません。子ども達を信じるしかない。そんな心境でした。
「位置について、用意、パーン!」1回目と同じいいスタート。あっ、と思った瞬間25m付近でT君の靴がぬげてしまいました。でもそのままがんばって走っている。そのまま、そのまま。もうすぐゴールだよ。後5メートル、最後は気をつけて。がんばれ!やったー。見事、完走。記録は?電光掲示板にあざやかに出た数字「12秒69!」前日練習で14秒98が最高記録だったのに2秒以上も縮めました。子ども達に「やったね。」と声をかけましたが、返事はなく、代わりに全員ほっとした表情でした。
あの2回目の走りの瞬間ほど疲れたことはなかったです。でも子どもたちにはきっとすばらしい思い出となったのでしょう。大変なプレッシャーの中で、全員で力を合わせるしかない場面。振り返ればめったにできないとってもよい経験になったと思います。
いよいよ師走。一年の締めくくりで忙しくなりますね。
私は現在6年生担任。卒業文集の製作に熱が入っています。文集のテーマの中で、今年一番多いのが、「30人31脚に出場したこと」。そう、あのテレビ朝日主催の番組の地方大会に出場したのです。今回はその当日の様子について書いてみようと思います。
(1)会場へ
10月10日午前7時50分、保護者の皆さんに見送られ、大型バスで出発した6年生30人と5年生3人。保護者の皆さん3名と担任。行きの車内はまるで修学旅行のようでした。大黒パーキングについたのは午前10時20分。トイレ休憩と弁当積み込みをしていざパシフィコ横浜へ。みなとみらい地区の海岸沿いにありました。
会場に入ると、南関東大会の優勝チームが公式タイムトライアルに挑戦しているところでした。私はその様子をじっと観察。記録は9秒5。いきなりすごい記録を見てしまいましたが、本郷小チームは「完走すること」が目標。特に気にしませんでした。
(2)いよいよ
開会式の後、試走があり、5番目の本郷小はしっかりと完走しました。ゴール後にマットに倒れこむのも初めてでしたが問題なくできました。いつもどおりの走りで一安心。子どもたちもにぎやかで「作戦通り1回目はゆっくりでいいからゴールしようね。」などと話していました。チャンスは2回です。
(3)1回目なななんと!
さていよいよ1回目の走りです。他のチームの一糸乱れぬ動きに触発され本郷小チームも気合十分。キャプテンの「いくぞー。」の掛け声に全員で「オー。」を3回繰り返し、よいスタートを切りました。担任は5メートル先を走っていました。うん、よし。これでゴールだっ、とゴールマットを飛び越え振り返ったところ、なんとゴール直前で列が乱れて転倒してしまいました。倒れた子達に聞くと両側に引っ張られてしまったそうです。チーム全体がまっすぐ進めなかったためでした。
待機場所に移動すると、先程までのにぎやかさはどこへやら。全員言葉がなく、下を向いてしまいました。「これはまずい。」と思ったものの、担任自身もどうしてよいやら。同行していただいた保護者の方から、「視線が低かったですよ。もっと上を見るようにしたらいいのでは。」とアドバイスを頂きました。
(4)2回目 お見事!
2回目の走りはすぐにやってきました。「元気出して。いつもどおりでいいんだよ。1,2,1,2の速さで。ゆっくりでいいんだよ。」と何度も何度も励ましました。子ども達は口には出さなかったもののきっと「今度ゴールできなかったらどうしよう。」という不安でいっぱいだったでしょう。スタート位置につき全員で走る方向を指差して、視線を上げてまっすぐ走ることを話しました。担任はこれ以上どうすることもできません。子ども達を信じるしかない。そんな心境でした。
「位置について、用意、パーン!」1回目と同じいいスタート。あっ、と思った瞬間25m付近でT君の靴がぬげてしまいました。でもそのままがんばって走っている。そのまま、そのまま。もうすぐゴールだよ。後5メートル、最後は気をつけて。がんばれ!やったー。見事、完走。記録は?電光掲示板にあざやかに出た数字「12秒69!」前日練習で14秒98が最高記録だったのに2秒以上も縮めました。子ども達に「やったね。」と声をかけましたが、返事はなく、代わりに全員ほっとした表情でした。
あの2回目の走りの瞬間ほど疲れたことはなかったです。でも子どもたちにはきっとすばらしい思い出となったのでしょう。大変なプレッシャーの中で、全員で力を合わせるしかない場面。振り返ればめったにできないとってもよい経験になったと思います。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)
栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。
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