2009.10.08
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すもう部創設!

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭 鷺嶋 優一

第5期に続き、執筆させていただけることになりました。鷺嶋優一です。よろしくお願いします。
私の研究テーマは、「ネットの向こう側の人への思いやり」です。今回からは少し視点を変えて、「ネットの対極にあるもの:学校と地域社会の連携」について考えてみたいと思います。

第1回のテーマは「すもう部創設!」です。
私の勤務している本郷小学校は、全校生徒が130名ほどの小規模校です。3世代同居の家庭が多く、純農村地帯であります。
この地区は、昔から「奉納子供相撲」があり、相撲の盛んな地域でした。
3年前、子供たちの遊びの延長としてすもう部創設を考えました。その理由は、次のようなことからです。
・その1:うーん。子供たちの遊びは室内ゲーム中心で、体を動かすことが少ないなあ。
・その2:野球部やスイミングをやっている子供はいいけど、運動をやっていない子供たちの体力が心配だなあ。
そう。最近よく言われる二極化が子供たちの体力面でも進んでいるのではないかと。
そこで地域のよさを生かしたすもう部創設を考えたわけです。
しかし前例のないことで子ども達に面白さを伝えることは難しい。募集のプリントを配付してもなかなか入ってくれません。そこで休み時間などに一人ひとり声をかけました。
「きみ、いいからだしてるねえ。すもうやらない?きっとつよいぞ!」
断られてもめげずに呼びかけていると一人二人と、
「おれやってみたい。」
などと言ってくれる子供が出てきました。かわいいですね。

休み時間や放課後に、校庭に円を描いてすもうをとらせます。すもうのルールは1年生でも知っています。これほど単純で分かりやすいスポーツはありません。小学生のすもうでも土俵際の攻防もあり、見ていて結構おもしろいですよ。

何回か稽古を重ねて、全国各地で毎年5月に行われている「わんぱく相撲」に出場しました。稽古不足でいまだになかなか勝てませんが、それでも保護者の皆さんは「いい経験をさせてもらいました。」といってくれます。また8月には地域の奉納子供相撲に参加。赤ちゃんの泣き相撲から始まり観客の皆さんの笑い声があふれます。

そんなこんなで続けていたら2年目にはPTAのみなさんが、費用を出してくださり本格土俵も完成しました。そのときの感動秘話を最後にお伝えします。

昨年8月に完成した土俵。地域の皆さんやPTAの皆さん、すもう部の小学生が集まったその土俵開きに、当日の地元新聞記事を見た卒業生のI君(当時中学1年生)が駆けつけてくれたのです。そのときの言葉が泣かせる。
私が「I君よくきてくれたね。」と言うと、
「だっておれ、すもう部だったんですから・・・・・。」
とのこと。思わず胸が熱くなりました。

これからも楽しく続けていきます!!!

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)

栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。

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