今回は、本校で行っている情報モラルの授業について紹介します。
本郷小では、6年生の総合的な学習「ホームページを作ろう」という単元があります。一人ひとりがトップページと2~3枚のサブページをリンクさせたものを作り、校内のネットワークにおいて公開します。この学習のねらいは「個人情報の公開について考えさせること」です。
まず何も制限を加えずにページ作りを始めさせます。今の子ども達は間接的に自分を紹介することが大好き。自分のニックネームや趣味、生年月日などをどんどん書き込んでいきます。数時間後、作業半ばでストップをかけ、
「その情報は、公開していいの?」
と投げかけるのです。子ども達は、
「うーん。」
と考え込んでしまいます。校内で公開するという点も微妙で、「校内だから個人情報を公開しても大丈夫。」という意見や「いややっぱりだめだよ。」という意見など賛否両論出て面白い。
この学習をした後は、友達や先生と相談しながら、書き込みを修正していきます。
さてさて。
昨年度、6年生を担任したS先生。この学習に更に一つ工夫を加えました。全員のページがほぼ完成したところで、トップページに、
『感想はここをクリック!』
というボタンを作らせ、ページを見た感想を書き込ませたのです。
それも匿名で。
子ども達は、友達のホームページについて思いつくままどんどん書き込んでいきました。書き込みは、2,3日の間にどんどん書き込まれていきましたが、その間の変化を目の当たりにしたとき、ネットの恐ろしさを感じました。
例えば誰かが
「壁紙の色、変だよ。」
とマイナス面の書き込みをすると、
そのページは、ターゲットになってしまい、
「色がダサい。」
「暗い。」
と、次々にマイナス面のみを指摘する書き込みが続きます。
S先生は、その書き込みをプリントアウトして、全員に配りました。そして書き込んだ内容について考えさせる授業を行ったのです。
グループ同士でプリントを見せ合い、意見交換。その後、全体での発言を求めました。なかなか発言が出ない雰囲気の中で、S先生が一言。
「みんなが書き込んだその内容。私が書き込みましたって、言える!?」
気持ちの込もった強い問いかけに教室内の時が止まったように、シーンとなりました。誰も言い訳ができない雰囲気。
授業を参観していて、この一言、効くなあと思いました。
ネット上で自分が書き込んだ不適切な書き込みに、面と向かって叱ってくれる大人がいる。そして叱られたという経験。
これは、大きい!!
この後、授業は、ネット上で書き込む際のルール作りへとつながっていきました。子ども達は、ネットの特性を知り、書き込む際には、相手への思いやりが大切だということに気づきました。
うーん。いい授業を見せてもらったという思いです。
夏休みに入りました。子ども達はネットに触れる機会も増えることでしょうが、相手に対して思いやりを持った書き込みができるように、まず周りの大人たちがネット上での適切な行動で、模範を示していきたいものです。
本郷小では、6年生の総合的な学習「ホームページを作ろう」という単元があります。一人ひとりがトップページと2~3枚のサブページをリンクさせたものを作り、校内のネットワークにおいて公開します。この学習のねらいは「個人情報の公開について考えさせること」です。
まず何も制限を加えずにページ作りを始めさせます。今の子ども達は間接的に自分を紹介することが大好き。自分のニックネームや趣味、生年月日などをどんどん書き込んでいきます。数時間後、作業半ばでストップをかけ、
「その情報は、公開していいの?」
と投げかけるのです。子ども達は、
「うーん。」
と考え込んでしまいます。校内で公開するという点も微妙で、「校内だから個人情報を公開しても大丈夫。」という意見や「いややっぱりだめだよ。」という意見など賛否両論出て面白い。
この学習をした後は、友達や先生と相談しながら、書き込みを修正していきます。
さてさて。
昨年度、6年生を担任したS先生。この学習に更に一つ工夫を加えました。全員のページがほぼ完成したところで、トップページに、
『感想はここをクリック!』
というボタンを作らせ、ページを見た感想を書き込ませたのです。
それも匿名で。
子ども達は、友達のホームページについて思いつくままどんどん書き込んでいきました。書き込みは、2,3日の間にどんどん書き込まれていきましたが、その間の変化を目の当たりにしたとき、ネットの恐ろしさを感じました。
例えば誰かが
「壁紙の色、変だよ。」
とマイナス面の書き込みをすると、
そのページは、ターゲットになってしまい、
「色がダサい。」
「暗い。」
と、次々にマイナス面のみを指摘する書き込みが続きます。
S先生は、その書き込みをプリントアウトして、全員に配りました。そして書き込んだ内容について考えさせる授業を行ったのです。
グループ同士でプリントを見せ合い、意見交換。その後、全体での発言を求めました。なかなか発言が出ない雰囲気の中で、S先生が一言。
「みんなが書き込んだその内容。私が書き込みましたって、言える!?」
気持ちの込もった強い問いかけに教室内の時が止まったように、シーンとなりました。誰も言い訳ができない雰囲気。
授業を参観していて、この一言、効くなあと思いました。
ネット上で自分が書き込んだ不適切な書き込みに、面と向かって叱ってくれる大人がいる。そして叱られたという経験。
これは、大きい!!
この後、授業は、ネット上で書き込む際のルール作りへとつながっていきました。子ども達は、ネットの特性を知り、書き込む際には、相手への思いやりが大切だということに気づきました。
うーん。いい授業を見せてもらったという思いです。
夏休みに入りました。子ども達はネットに触れる機会も増えることでしょうが、相手に対して思いやりを持った書き込みができるように、まず周りの大人たちがネット上での適切な行動で、模範を示していきたいものです。


鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)
栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。
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