2009.07.15
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教えるということ

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 教師とは、広辞苑によれば、「公認された資格をもって児童・生徒・学生を教育する人」とあります。また、教育とは「教え育てること。人間に他から意図をもって働きかけ、望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動」と記されています。
 改めて、調べて読むと、「なるほどそうだったのか、そうだよなぁ」と思います。このように、定義や原理原則は不変のものでありながら、日常の中では忘れられがちになっていることがあります。

 私を含めて教師は、教えることのプロとして自覚しながら毎日の仕事をしています。個人レベルの教材研究から、学年や学年ブロック、さらには校内研修などにおいて、子ども達に力をつけるために、「どのように教えるべきか」を追究しています。
 しかし、それだけでよいのでしょうか。この考え方は、教師サイドからの見方しかないように思うのです。
 そこで、教師がお互いに児童生徒役をする模擬授業を行い、児童から授業を再検討することも行われ、授業改善を進めているところも多くなっています。最近は、当たり前のように模擬授業をしながら、「教え方」を検討しているのは、より実践的研究と言えるでしょう。
でも、まだ物足りなさが残るのです。

 それは、「教師は教える」ことしか考えていないという点です。新卒で教師となれば、初任者研修があり、「教わる」ことも多くあります。しかし、経験を積めば積むほど、「教わる」機会が少なくなり、立場上、「教える」ばかりとなることもあります。
 「教える」ということは、同時に「教わる」ことも大事にすべきではないでしょうか。

 先日、1学期末を控えた週末に、授業名人と言われる野口芳宏先生の研修会がありました。会場は千葉県でしたが、四国や北海道から現役のベテランの先生が学びに来ていました。
 学期末の学校の忙しさは、想像を絶するぐらいです。それにも関わらず、自分の時間とお金を使って「教わろう」とする先生方の様子に、本当の教師の姿を見た思いがしました。このように学び続けようとする姿勢こそが、「プロ教師」の構えではないでしょうか。野口芳宏先生は、「学び続ける者のみ、教うる資格あり」ということをおっしゃっています。

 『教うるは学ぶの半ばなり』の諺を、私も実践し続けていきたいと思っています。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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