2009.05.06
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「水戸黄門的授業構想」

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 新学期が始まって、1カ月。そろそろ新しい学級の形が見え始めてきている頃ですね。「学級づくり」と同時に、担任する子ども達の力を最大限に引き出す「授業づくり」も本格化しなければならないと思っています。

 私は自分が子どもの頃から、40年近く続いている世界的な長寿番組「水戸黄門」(TBS)を見て育ってきました。
 ところで、TBSナショナル劇場で初代の水戸黄門を演じた東野英治郎は、群馬県富岡市出身とされ、現在の勤務校の近くに実家の店があります。そのような縁もあってか、最近、ワンパターンでありながら不思議な魅力を持つ「水戸黄門的な授業」ができたらいいなと思うようになっています。今日は、「水戸黄門的授業構想」を語ってみたいと思います。

1.なぜ、「水戸黄門」は魅力的なのか?
 一言で言うと、とにかく見終わると、「スッキリする!」とともに、「温かさ」を感じることではないでしょうか。
 “勧善懲悪”がこの番組の大きくてわかりやすいテーマですが、人間関係の大切さと人間のよさを感じさせてくれることも、見る人の心をひきつけるのだと思います。

2.魅力の分析
 永遠のワンパターンと言ってもいいほどの筋書きである水戸黄門が、大きく視聴者をひきつける魅力の源は何なのでしょうか。
 一つ目は主題歌だと思います。このテーマのリズムが、心地よさと期待感を与えてくれているのだと思います。そして、歌詞をよく聴いてみると、人生訓にまでなっているところではないでしょうか。
 二つ目は登場人物にあると思います。主役である黄門様は、演じる俳優により持ち味が異なり、それぞれに人間としての魅力を感じさせてくれます。レギュラー陣もそれぞれ個性的ではありますが、何気ない一言や仕草にも魅力を感じるものがあります。悪役もいかにもそれらしく演じ、このドラマを盛り上げています。そして、ナレーションの終わりの語りはドラマをまとめ引き締め、次回への期待も高めてくれています。
 三つ目は、各土地の伝統や名物を教えてくれることです。単なる時代劇ではなく、行ってみたい、食べてみたいなどと思うとともに、何か得した感じがするところだと思います。

3.「水戸黄門的授業論」
 日々の授業を時代劇「水戸黄門」同様、終わるとスッキリし、温かみを感じるように構想したのが、「水戸黄門的授業構想」です。
 見終わってスッキリするという状態は、授業ではどの子にもねらいがストンと落ちるという状態でしょう。そして、温かみを感じるというのは、たとえば、個別学習に終始するのではなく、学び合いの場を設け、お互いのよさを感じられる交流をするということに置き換えられると思います。
 魅力の一つ目に当たる「主題歌」を授業に置き換えると、導入部分に当たります。これから始まる教科の学習モードに入れる工夫をするとよいということでしょう。たとえば、国語では音読暗唱、算数では基礎計算プリントを繰り返し行うということです。こうすることで、自然と国語や算数の授業をする雰囲気になってきます。
 二つ目の魅力である魅力ある登場人物に当たるのは、教師のよさ(個性)ではないでしょうか。そして、臨機応変に適切な支援素材を投入し、教師の何気ない一言にも魅力を感じさせ、納得する授業の締めくくり用意します。そして、授業の流れは、子ども達が安心して学べるワンパターンな構成とすることです。
 三つ目の魅力のお得感は、振り返りを通して成長を感じさせることです。自己評価・他者評価をして、できる・わかる・知ることができたを実感させるようにすることです。

 このような「水戸黄門的授業構想」が確立できたら、永遠不変で魅力的な授業が毎日展開できるものと思っています。
 自分の教師道を探し求め、勇気を持って、前進し続けたい‥‥そんな内容の歌詞が「水戸黄門」のテーマ曲「ああ人生に涙あり」(山上路夫作詞)に記されているようにも感じるのは、考えすぎでしょうか。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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