2009.03.18
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教師の仕事に誇りを持って

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

個人的な話で恐縮だが、23歳の長女が昨年4月に新卒で就職した会社から、今年2月になって突然の業務縮小の為にリストラを宣告されてしまい、現在失業・求職中である。 

百年に一度と言われる深刻な経済危機が世界中を襲い、能力主義・成果主義のこの時代にどうしても企業が生き残りのためにはしかたがないこととは思うが、反面、社会に出たばかりの若者が失職に伴い全人格を否定されたように感じている現状は問題であり、我が子のことだけではなく胸が痛い思いである。

 私は教師として今何よりも子どもたちが求めていることは学ぶことの喜びであり友と学び合う楽しさ、そして学ぶことの意義を実感することだと思う。
そのために教師こそが、日々の学校生活の中で「あなたのここがいいところだ」ということを指摘してあげることが大切だと考えている。
子どもたちの自尊感情や自己肯定感を支えるような一言でその子を支えられることができたなら(場合によってはそれが一生にも及ぶような)これほどやりがいのある仕事はないのではないかとも思い誇りを持って教育活動にあたっている。(つもりである。)

しかし、そうは思っても現実には、学校を取り巻く色々な問題が起こる中で
「教師になって本当によかった。今の生活が公私とも楽しい。」
「自分の持ち味が十分に発揮できている。」
 と言えるだろうかと常に自問してしまう毎日である。

そういう意味で実は本当に自己肯定感が必要なのは教師なのではないかとも思う。あと何年か続く私の教師生活に対しては、教え育てるという自分の仕事にプライドを持って、数々のストレスを解消するためにも十分時間を取っていきたいと思うのである。


さて、今回が第4期の私の連載が終わります。第5期は休筆させていただくことにしました。読者のみなさまとはしばしのお別れになります。小生の蛙鳴蝉噪な文章にお付き合いいただき本当にありがとうございました。そして再会するときはまたよろしくお願いします。

※写真は本校の卒業生を送る会の様子です。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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