2008.11.26
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学級騒動記(5) パラリンピックの選手がキタ~!

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 ゴールボール(goalball)というスポーツを読者のみなさんはご存じですか?目隠しをしながら鈴の入ったボールを投球し、ゴールに入れることで得点する球技でパラリンピックの正式種目の1つになっているものです。かく言う私も実はよく知りませんでした。

5年生の総合の本年度のテーマ「見よう知ろう福祉の心」についてのあれこれを調べ学習をしていてこの競技について初めて知った子どもの一人が、ゴールボールの北京パラリンピック日本女子代表の加藤三重子選手(シーズアスリート所属)が朝霞市に住んでいることを私に興奮して伝えてきました。

 さあ、それからは担任の出番です。市の教育委員会生涯教育部・スポーツ課を通して加藤選手の連絡先をゲットして直接加藤選手に電話をして交渉し、来校して特別授業をしてもらうことが決まりました。その後授業の持ち方について何度かの打ち合わせの後、11月6日ついに実現しました。

当日は、加藤選手が自身の視力障害のハンディを乗り越えてゴールボールというスポーツに出会い、このスポーツを通して各国のアスリートたちと交流を深め、自分の夢であるゴールボールを世界中の人に知ってもらいたいということを中心に子どもたちに熱く語ってもらいました。授業を通して子どもたちはその話を深く心に刻み、改めてみんなが暮らしやすい社会をつくるために、自分にできることを一人一人が主体的に考えるきっかけにすることができました。

 また後半は、別教室に用意された特設のゴールボールのコートを使い競技の体験学習も行われました。私もアイシェイド(目隠し)をして実際に加藤選手の投げるボールを受けましたが、前後左右の感覚が視覚を遮られたことにより完全に麻痺してしまい、緩いボールにもかかわらず苦戦し、この競技特有の難しさと楽しさをほんの少しだけれども体験することができました。

 いずれにしても、この特別授業を通して子どもたちは(実は私も)、学ぶということは新しい世界を知ること。さらに福祉についての関心と理解を深め、社会福祉への主体的な参加と協働を促す福祉教育の目標を自然考えることができたと思います。

加藤選手、貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。m(_ _)m

※写真は当日の授業の様子です。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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