2008.10.15
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学級騒動記(2) じっと立つことができない子どもたち

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 難しいことを書くつもりはないのだが、私が教員になった約?0年前と比べて子どもをめぐる状況は大きく変化していることはいろいろな場面で感じることが多い。

 特に私が著しいと感じるのがストレスへの耐性への低下であると思う。そのことが顕著に現れるのが、校庭や体育館で朝会等の話を聞いているとき短時間でもしっかり静止してじっとしていられない子どもたちが大幅に増えたということである。

 この季節は運動会の練習等で校庭や体育館で話を聞くことが多いのだが、どの学年でも頭を動かしたり、横にかしげたりする子が多く見られる。
 最近は長時間話す場合はその場に座らせて話をしようと「座りましょう」というと、すぐに校庭の砂をいじったりしている子どもたちが以前に比べて多くなっている。

 この現象は教室でも椅子にもたれる、つまり椅子の背に体をそわせることができないで、前へかがみ込むように座っている子が多くなっていることにも見られる。どうしても授業中何度も「きちんと座り直しましょう」という指示が多くなってしまう。よく観察していると字を書くときに、机にもたれかかって書いているので、足がいつのまにか椅子の上にたてひざになっていたりする。「ちゃんと座ろう」と声をかけると一応戻すが、いつのまにかまた斜めを向いている。

 考えてみれば、多くの子どもたちにとって自分の思い通りに行くことが当たり前で、何か欲求が生じると、すぐに充足できる環境下にいるわけだから昔通りの指導の仕方や方法ではいけないのかもしれないが、もともとじっとしてして話を聞くというのは人間の進化の過程で獲得したかなり高度な能力であったと思うと、私などはあと百年すれば、この能力が退化し(?)日本人はじっとして立って話がきけなくなるのではという危惧をいだいている。

読者の皆さんはどう考えますか?

※写真は先日行われた運動会のスナップです。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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