2008.08.28
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「実感をともなった理解」という言葉

元徳島県立新野高等学校 教諭 中原 正治

夏休みももう終わりですね。
どうすごされましたか?

顔を洗う水が『冷たい?』と、感じて
朝の日差しが5時過ぎでも薄暗くなってきて
蝉と蛙の声が虫の声に替わりました。
トンボの姿も急に多くなって、
雲の形も秋模様です。

生活の中の変化に、季節の変わり目を感じることが多いですね。

稲刈りも、近所では8月中にほとんど終わってしまいます。
昔は9月に稲刈りをしていたように思うのですが、
この暑い中で、稲刈りは結構きついですね。

夏休みは、教員研修が多くありますね。
どのような研修に参加されたでしょうか。
私は今年、教育課程研修会に参加しました。

徳島では、教育課程研修会が例年7月末に実施されます。
毎年、学校から一人、教科で順番に参加します。
今年久しぶりに理科の教科で参加しました。
情報の科目を担当しているのですが
徳島の教育課程研修会には、情報の教科枠がありません。
他県でも情報の研修会は無いのでしょうか?

学習指導要領改定は、高校は12月頃になるそうです。
改定された小中学校の内容を見ると、新しい理科目標で、
「自然の事物・現象について、実感をともなった理解・・・」と、
新しく「実感をともなった理解」という言葉が加わりました。

以前から、理科の授業では、
自然体験をもとに授業をすることが必要だと感じています。
その体験が生徒に不足しているので授業が理解しにくい。
授業を受けても実感が伴わないということが言われています。
小中学校での学びの体験もしっかり見ていかないと
高校では、うまく授業をデザインできないと思っています。

授業は、生徒の実感や実情からスタートすることが大切ですね。

では、どのような形で
体験が自分の実感になっていくのでしょうか。
生徒の中に、生活の中で体験したことが豊かにあって、
授業を通して、体験が言葉で整理されるときに
実感をともなったものとして
経験(再構成)できるのだと思います。

この夏の暑さの中で、
冷房の効いた部屋に閉じこもっていませんか?
外に出て、植物や生き物との出会いや気づきがあって、
暑さの中にも、秋の気配を感じることが出来るのかなと思います。

実感をともなう理解を学校でコーディネイトすることは、
今の高校のシステムでは難しいかなと思っています。
豊かな体験は一人一人の生活の中で培われるものですから、
冷房の効いた中で、
メディアに囲まれた生活をしている中では
植物の様子も虫たちの息遣いも知ることは難しいですね。

夏の暑さの中で、
冬の寒さの中で
どのようにすごしているか、
四季折々の様子を知っていてこそ、
花が咲き実を結ぶ姿を学ぶとき
実感の深さが違ってくるように
思うのです。


夏休みに秋の大会に向けて茶道の練習会を実施しました。
夏の茶道の研修は、冷房無しには出来ません。
夏に冷房で機能的に実施することと
夏を感じ実感をともなった経験を深めるということは
一緒には出来ないのでしょうか。

夏の茶席は?
どんな持ち方がいいのでしょうか。

昔から夏は、「朝茶事」といいます。
朝、日が昇る前から準備して
朝のすがすがしい時間帯を使ってするのです。

夏の茶道のお点前は?
「洗い茶巾」があります。
点前の中で、茶碗に入れた水を使って茶巾を洗って、
その様子と水の音を楽しむのです。

水の音を聞いたからといって
温度が下がるわけではありません。
涼しげな気持ちを感じ合うのです。

見た目の、聞く音の、涼しさを楽しむのです。

稲刈りが近づいて、
朝夕に田んぼの草取りや畔の草刈りをします。
昼間は、暑くて作業になりません。
朝のすがすがしさは、冷房の生活に慣れていると
感じることは出来ないものですね。

日本文化は稲作文化とも言われていますが、
稲作りの作業体験が
私の学びの感じ方を
少し変えてくれたような気がします。
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中原 正治(なかはら まさはる)

徳島県立新野高等学校 教諭
50代は、タイピングコンクールでシニアの部に振り分けられました。情報化社会に生きるのは若い世代も高年齢の世代も年齢に関係ないですね。情報と理科を担当しています。

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