2008.07.09
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モバイルの教育利用

株式会社内田洋行 教育総合研究所 山田 智之

先日、代休を使って小旅行に出かけました。
私は車の運転ができない(ペーパー)ので、移動は基本的に公共交通機関です。

最近は電車に乗っても、バスに乗っても、ケータイいじりか携帯ゲームに余念のない人が多いですね。
電車がトンネルを抜け、携帯の電波が入ると即座に携帯のチェックをする子を複数見かけた時は、さすがに異様に感じました。
(こういう風景って、日本だけなのでしょうか?)

携帯もそうですが、ゲームに没頭している人もかなり多かったですね。
比較的小さい子や女性はDS、男性はPSPで遊んでいる人が多いように感じました。

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私は丁度ファミコンが普及した頃に子どもだった「ゲーム世代」ですので、小さい頃は良くゲームで遊びました。携帯ゲーム機(GAMEBOY)も持っていましたが、ゲームのし過ぎで何度も禁止された記憶があります。
禁止されると、父からもらった電子手帳についている簡易ゲームで遊んでいたのですが、子ども心に「ゲームボーイで勉強ができれば叱られないのに・・・」と思ったものです。

当時既にいくつかの学習用ソフトがあったようですが、今は語学や書き取り、計算に始まり、多くの学習用ソフトが発売されていますね。昔に比べると、本当に豊富なコンテンツを分かりやすく表示・操作できるようになっているなと思います。
特に女性に目立つ気がするのですが、ちょっとした移動時間などに勉強する人も多いようですね。

最近の携帯ゲーム機は無線LANにも接続できますし、ゲーム機というよりは、学習も可能な「モバイル機器」と言ったほうがいいのかもしれません。

以前、つれづれ執筆者の吉田さんが記事に書かれていますが、実際、教育現場で携帯ゲーム機が学習端末として利用されている事例もあります。

吉田さんの記事:
http://www.manabinoba.com/index.cfm/8,9577,21,121,html

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何で突然こんな記事を、と思われるかもしれませんが、私は学生時代にモバイル端末を小学校で学習利用するプロジェクトに参画していたため、卒業した後もモバイルの教育利用については気になっていたのです。

当時参画していたプロジェクトでは、実証実験を行うモバイル端末にPDAを採用しました。
今なら携帯なりDSなりを使ったのでしょうが、2002年と言えば携帯電話にカメラが着き始めた頃。今のように画面も鮮明ではなく、データ通信速度も遅いため、リッチな学習用コンテンツを表示するのに、携帯電話では不十分でした。
また、リッチなコンテンツを表示することのできるノートPCだと、児童がモバイル用途として使うには、取り回しが不便でした。
そんな理由から、ある程度リッチなコンテンツが提示できてペンによる直感的な操作が可能なPDAを使った、というわけです。

今では携帯電話でネット上の豊富なコンテンツを表示できますし、ペン入力のできるDSなどは上記の記事にもあるように優れた学習端末だと思います。

学生時代に参画したプロジェクトは、モバイルの教育利用に関する試行的な取り組みでした。しかし新聞記事にもあるように、今は学力の向上を狙ってこのような端末を利用しています。当時を振り返り「ここまできたか」と思うこともしばしばです。

入社してからは、残念ながらモバイルをテーマとした業務にめぐり合っていませんが、今後もモバイルの教育利用には注目していきたいと思っています。

学生時代に参画していたプロジェクト「携帯情報端末を活用したモバイル学習環境の実現」
http://www.cec.or.jp/e2a/e2a/koubo14_result.html


#全くの余談ですが、子どもの頃あれほど「携帯ゲームで勉強ができれば・・・」と思っていたのに、昨年買った携帯ゲームの世界史学習ソフトが「メソポタミア文明」で進捗停止中。 そもそもが飽きっぽい性分だったようです(笑)

山田 智之(やまだ ともゆき)

株式会社内田洋行 教育総合研究所
教育の情報化が進められていた99年~を学生時代として過ごしました。「先生をサポートする仕事をしたい」と思い、内田洋行に入社。現在は受託事業、共同研究プロジェクトなどを担当しています。

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