2019.04.22
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フレネ学校見学記

フランスのニース郊外にあるヴァンス。その町の郊外に、フレネ学校という学校があるのをご存知ですか?

お茶の水女子大学附属小学校 教諭 本田 祐吾

はじめまして。私は、お茶の水女子大学附属小学校の本田と申します。勤務校では、ここ数年は低学年を担当し、幼小接続期研究を進めています。今年も2年生を受け持ち、新学期がスタートしました。お茶小の低学年は、この後紹介するフレネ教育やイエナプランも参考にしながら、個別・協働・プロジェクト型の学習を中心に生活をつくっています。ここでは、お茶小での学びの様子やそのもととなるフレネ教育をはじめとして、私の見聞きした学びについて綴っていきたいと思います。

昨年度の3月末、修了式を終えた翌週に、大学教員、大学生、小学校教員など、総勢20名でフランスのフレネ学校を訪問しました。桜の咲き始めた東京を離れ、パリのシャルル・ド・ゴール空港を経由し、ニースのコート・ダジュール空港に降り立ちました。ニースの気候は、すでに春…をこえた暑さで、街ゆく人の中にはTシャツで歩いている姿も見かけました。

そのニースからさらに路線バスで1時間ほどのところに、ヴァンスはあります。フレネ学校は、ヴァンスから谷を1つへだてた丘にある学校です。学校は、3歳からの幼児クラス、6歳からの低学年クラス、9歳以上の高学年クラスの3つのクラスに分かれていて、それぞれのクラスは、異年齢学級で構成されています。

フレネ学校は、8時を過ぎると子どもたちが登校し始めます。教室に入り、自分の荷物を置くと、机の上に計画表(PLAN DE TRAVAIL)を出し、それぞれが学習を始めます。この計画表は、簡単に説明すると、子どもたちが、自分の学習進度や取り組みたいことなどをもとに、自分で学習の計画を立て、学習を進めるものです。

教室の座席は、グループになっていますが、この計画表をもとにした個別の学習の時間では、隣り合う者同士が同じ学習をしているとは限りません。あくまでも、それぞれが自身の立てた計画に応じて学習を進めているのです。どの子も、教室の周囲にある箱から自分の取り組む学習材を取り出し、自分のノートに書き留めています。

そして何より驚くべきことは、教室がとても静かだということです。登校してから、子どもたちが学習に取り組むまでにチャイムが鳴ることはなく、それぞれが準備が整うと学習に取りかかります。時折、子どもが騒がしくなり先生が「シーッ」というと、また静けさが戻ります。個々が学びに向かうための環境がとても大切にされていて、これは公共の場への意識にもつながっていると思いました。

フレネ学校の先生にもお話を伺う機会がありましたが、先生方は、子どもたち一人ひとりの学びや生活のリズムと成長を大切にし、子どもの目線に立って子どもを理解することを大切にしているとおっしゃっていました。また、課題としては、何でも簡単に手に入るこの時代に、努力に対する意欲を育てるのが難しいとのこと。大切にしたいことも課題も私たちとも共通していると感じました。

今回は、フレネ学校の計画表と個別の学習について簡単に紹介しましたが、他にも幼児クラスの活動の様子や子どもの自主学習を発表するコンフェランス、クラスや学校の問題などを話し合うレ・ユニオンなども参観しました。これらについてやフレネ教育についても、紹介したいと思っています。

本田 祐吾(ほんだ ゆうご)

お茶の水女子大学附属小学校 教諭
ここ数年は、主として低学年を担当し、就学前教育からのボトムアップを大切にした幼小接続期の研究に取り組んでいます。フレネ教育やイエナプラン教育を参考に、その知見を生かして、個別と協働・プロジェクト型の学習を作っています。子どもたち自身の手で学びや生活を創る中で、教師がどのようにあるべきかを模索しています。

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