2016.09.16
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一問リズム数考 その2

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。少しずつ秋が近づいてきましたね。2学期は実りの秋です。学習に、行事に、生活に、子ども達と一緒に全力投球したいですね。でも、それには体力です。しっかり食べて、寝て、子どもたちと一緒に、子どもたちと共に、子どもたちのためにがんばっていきたいですね。

 さて、前回、前々回は違うテーマで話をしました。3回前は、次のような話をしていました。『「一問リズム数考」には、2つのパターンがあります。1つ目は、音読活動に限定されるのですが、いろいろなパターンで音読をして、思ったことや考えたことを発表し合い、理解を深める活動。2つ目は、一つの問題に対して、次々に答えを言っていく活動。これは、主に算数科で効果を発揮します。特に一つ目の活動は、全ての教科に応用可能です。音読は、どの教科でも必要で効果的な学習活動です。』

 今回は、その1つ目の話を具体的にしていきたいと思います。授業の準備をして授業に臨むことは、教師の子どもたちに対する当たり前の行為です。しかし、毎回100%できるとは限りません。体調が悪い時もあります。家族の用事がある時もあるでしょう。以前、ある大学で講座をさせていただいた時に、「教材研究をきちんとしなくてはならないことは、当然のことです。しかし、毎日きちんとしていると、時間もないし体力的に無理がきてしまいます。」と若い先生がお話してくださいました。確かにそうです。私も「きついな」と思う事もあります。最悪の場合は、学校に着いてから・・・ということもあると思います。教師になってしばらくは、教材研究にものすごく時間をとられることもあるでしょう。これも大変なのですが、大切なことです。「人は、苦労するべき時にきちんと苦労をしなくてはいけない」と私は思っています。教師になってしばらくは、何年かは、時間がかかって当たり前です。きちんと苦労することで、次第に、自分で教材研究のポイントをつかんでいくのです。そして、ベテランになっていきます。「教材研究のポイント」をつかむと、それほど時間をかけることなくできるようになります。この「ポイント」は、自分の経験でつかんだものがほとんどだと思います。この「自分の経験」が大切なのです。「自分の経験」でつかんだものは、忘れません。

「自分の経験」でつかむものは、もう1つあります。それは、「授業の進め方」です。どのような授業でも、「自分はこう進める」「自分は、こう子どもたちを活動させる」という活動パターンをもっておくと、少し楽になります。私の場合は、「いろいろなパターンで音読をして、思ったことや考えたことを発表し合い、理解を深める活動」です。

 私は、どのような教科、活動でも「音読」を大切にしています。声を出して、体をつかって読んだことは、子どもたちの理解を促進し、やる気も促します。しかし、普通にただ読んでいては、飽きてしまいます。なので、色々な音読を入れます。

1、音読パターン「読ませ方」  ピカチュウ読み ギャル読み 宝塚読み 怒り読み 悲しみ読み 喜び読み お経読み 歌に合わせて読み(サザエさんなどよく知っている曲) など

2、音読パターン「読む体勢」  けんけんしながら読む スクワットをしながら読む きちんと姿勢を正して読む うろうろしながら読む 友達と見つめ合いながら読む 頭の上に違う教科書を置いて落とさないように読む など

 もちろん、きちんと読むことも大切にしています。どの授業でも導入し、慣れてくると子どもたちが自分たちでするようになります。読んだ後、私の場合は、子どもたちが発表し合い、話し合う「指名なし発表」を行います。場合によって、リズムよく列であてます。班で相談して発表してもよいでしょう。読んだ感想や、社会科などは、読んだ内容から疑問に思ったことなどを発表します。

 このパターンを私は全ての教科で行っています。少し変化を加えることもありますが、自分のやりやすいパターンなので、子どもたちもそれを分かっていて、授業にもついてきやすくなります。クラスの子どもたちが、先日「手を挙げて発表するより、お互いの様子を見ながら発表し、討論をし合う方がやりやすいね。」と教えてくれて、かなりびっくりしました。なので、私の授業は、挙手発表がほとんどありません。不思議な感覚です。一つの問題をリズムよく音読し、たくさんの数の考えを発表し合うことが、私のクラスでは普通のようです。

 自分のパターンをもっていると、いざという時に助かりますし、空き時間に、担任がいないクラスで授業をたのまれてもすぐにできるわけですね。

 次回は2つ目を紹介しますね。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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