2008.03.09
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学校のホームページと保護者が知りたいこと

株式会社内田洋行 教育総合研究所 梅香家 絢子

最近塾に通う子どもが増えたせいか、両親ともはたらいている家庭が多いせいか、家族揃って食事をする機会が減っていると言われます。
特に夕食は“今日こんなことがあったよ”と報告し合える絶好の場(?)だと思うのですが、その時間が減っているということは、子どもが今どんな毎日を過ごしているかもあまり知ることができないということでしょうか?

こんなことを思ったのは、以前商品企画の担当の頃にとった保護者へのアンケートから見えた「声」があったからです。

* * *

担当していたホームページ作成ソフトの商品に関連して、『学校のホームページに掲載してほしい情報は何ですか?』という主旨のアンケートを800名近い保護者の方(複数の小・中学校)にお願いしました。すると上位に上がったのは『行事・イベントのお知らせ・報告』『学年のページ』『クラブ活動・委員会活動』等々。“子どもの活動”に関するものが主でした。一方、どの学校でも必ず掲載されている『学校の基本情報』『教育方針』はほぼ圏外。

確かに学校の連絡先等は保護者には不要です。
でも教育方針は…?

予想以上に「子どもが学校でどんな風に過ごしているか、その様子や雰囲気を知りたい」という声が強いことを実感しました。

* * *

保護者が学校や子どものことを知る機会はたくさんあります。授業参観や学校公開、先生方がつくる各種お便り、PTA活動等々。そして学校ホームページもその1つ。

ホームページならではの利点を挙げるとしたら、

 ◎よりリアルタイムな情報がわかる
 ◎よりたくさんの写真を(カラーで!)見られる
 ◎自分の都合に合わせていつでも見に行ける

などですね。
もちろん課題点もあります。

 △先生の作業負担↑(慣れが必要な部分は一時的に)
 △インターネットを見られない保護者がいる
 △子どもの個人情報

ただこれらを全部ひっくるめて、「教育方針ならおたよりでわかるけど子どもたちの普段の様子は…」、「授業参観に行きたいけど時間が取れない」というように、“ホームページだからこそ伝えられる情報”はやはり確実にあって、そこに期待する保護者の声も徐々に生まれているんだと思いました。

* * *

これまで色んな学校のホームページを見てきました。
いいなぁと思う所の共通点は、行事や活動の度に定期的に更新されていたり、写真がいっぱいあること。それはやっぱり“子どもの様子が伝わってくるページ”なんです。
さらに感じたのは、そこで発信される内容から“先生の人柄”や“学校の姿勢”も自然と伝わってくるということ。
それがきっと『教育方針』としても伝わるんでしょう。

学校ホームページはまだまだ身近ではありません。
でもその使い方によっては保護者の安心につながる可能性がたくさん詰まっているのだと思います。
自分の学校のホームページ、ぜひ見てみてください。


参考:全国の学校ホームページが検索できます
日本の学校→http://www.i-learn.jp/schools/

梅香家 絢子(うめがえ あやこ)

株式会社内田洋行 教育総合研究所
「開かれた学校づくり」の言葉に惹かれてこの道に。今は仕事を通して、全国の教育現場で実践されている様々な取り組みに驚き、学ぶと同時に、“企業の立場からできること”も学びながら活動する日々です。

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