シミュレーションゲーム教材は学校教育を変えるか?

数年来、学校教育でシミュレーションゲームを教材として活用する事例がふえつつある。ゲーム=娯楽というイメージが強く、学校現場ではまだまだ評価が低いシミュレーションゲームだが、その内容は刻々進化している。今回は、日本シミュレーション&ゲーミング学会を取材し、学校での実践報告を聞いた。
11月29日、「シミュレーション&ゲーミングにおける連携と拡大」をテーマに、お茶の水女子大学にて、日本シミュレーション&ゲーミング学会(JASAG)秋季全国大会が開催されました。
日本シミュレーション&ゲーミング学会は、1989年1月21日に、1980年代後半からのコンピュータ・テクノロジーの地球規模での革新の波を背景に設立。現在、「ビジネスシミュレーション研究部会(主査:黒沢敏朗)」「仮想経済ゲーミング研究部会(主査:出口弘)」など12の研究部会がありますが、今回は、「授業と教材研究部会(主査:三橋秋彦)」について取材してきました。
授業と教材研究部会の主査を務める三橋秋彦先生に、活動の背景をお聞きしました。
「シミュレーションゲーム教材は、開発に人的にも経済的にも大変コストがかかるものです。しかも実践には教師に高い技量を要求するものでもあります。ですが、ゲーム=娯楽という印象も根強く、授業で使用することに抵抗を示す方もいて、学校教育の場で正当な評価を受けていないのです。また、間違ったシミュレーションゲーム教材の理解や不適切な利用が平気で行われているという実態もあります。」
シミュレーションやゲーミングの手法を使った授業実践は、これまでにも学びの場見聞録で紹介してきました(川口市立芝西小学校 、田園調布雙葉中学高等学校、東京都中野区立第八中学校 )。が、どの授業でも思ったのは、事前の期待と実際の印象のギャップがかなり大きいということ。これは期待はずれというのではなく、まったく逆で、これらのゲームの面白さは、事前の説明や資料ではほとんど伝わらない。やはり実際にやってこそのゲーミング&シミュレーションなのです。この面白さを伝え、全国の学校で授業に取り入れてもらうには、今回のような学会で、地道に実践事例を発表していただくのが遠くて近道なのかも知れません。
さて、実際の発表の中で、印象に残ったものをいくつか紹介しましょう。
●埼玉県所沢市立荒幡小学校 ~情報モラルを学ぶ
発表者:寳迫芳人

寳迫芳人さん
●エコプラントゲーム(ボードゲーム)
発表者:社団法人環境情報科学センター調査研究室 仁井亮一

仁井亮一さん

●ビオトープ・シミュレーター
発表者:兵庫県人と自然の博物館(岸田隆博 三橋弘宗 嶽山洋志) 株式会社A.R.C.S.(山下義弘)

山下義弘さん

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取材・構成:学びの場.com
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