2003.10.07
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「聴くこと」も大事なコーチング T PLUS!コーチング勉強会

学びの場.com読者の皆さんが「学びの場.com特派員」として、レポートするこのコーナー。今回は、教育を考える異業種ネットワーク「T PLUS!」が主催したコーチング勉強会の模様を、山名ひろみさんがリポートしてくださいました!




まずは自己紹介ゲーム













 

今回の講師井川英子さん

















 
コーチングとティーチングの
違いって何だろう・・・?


2003年8月16日、池袋メトロポリタンプラザ「エポック10」で、教員・社会人・学生による教育を考える異業種ネットワーク【T PLUS! ティーチャーズ ぷらす(+)】主催のコーチング勉強会「コーチングってなぁに?」が行われました。ビジネスの分野では既に有名ですが、教育の世界ではまだまだなじみの薄いコーチング。「コーチングってなぁに?」「子どもやその保護者に接する時、コーチングは使えるの?」【T PLUS!】のメンバーがスタッフ会議で素朴な疑問をぶつけていたところ「どうせ勉強するならみんなで楽しく!」と皆さんをお招きしての公開勉強会を行うことになったのです。

当日は教育に関心を持つという共通点を持つ教員・社会人・学生の方々、定員いっぱいの20名にお集まりいただきました。参加者の皆さんの熱意とステキな講師のコラボレーションで、予定されていた二時間があっという間に過ぎてしまうほど、会は大いに盛り上がりました!!その様子をちょっとご覧下さい。

■あなたはわかる?「コーチングとティーチング」

今回の勉強会のファシリテーターをつとめるのは、茨城大学大学院で教育を専攻し、民間IT会社で技術系講師を10年間経験。現在は社内人材育成、社内研修企画業務を担当されている井川英子さん。井川さんからは、最初に勉強会のテーマ「コーチングってなぁに?」についてお話がありました。

「コーチングとは、人をやる気にさせるコミュニケーションであり、能力や可能性を最大限に発揮することができるようにサポートすることなんですよ」

そして…、「コーチングとティーチング」、「性善説」、「信じること」、「傾聴」などをキーワードに、コーチングの様々な面が、様々な視野から説明されていきます。

「コーチングとティーチング??」
今回の勉強会は講師のお話を聞いたあと、参加者がグループで意見を出し合いながら、進めていく形です。
「学校でも社会でもルールは教える必要がありますので、ティーチングが必要です。では、コーチングを活かせるのはどんな場面でしょう。ティーチングとコーチングのバランスが大切ですね。」という講師の問いかけから、参加者の皆さんからは
「結果重視の事柄に対してはティーチングをし、プロセス重視の事柄にはコーチングが適切なのではないでしょうか」
「ツアー旅行はティーチングであり、自分で計画を立てていく旅行はコーチングではないか?」
などの意見が出されました。

コーチングの一番大切なスキル「聴くこと」
コーチングのスキルには、環境づくり、聴く、質問、計画を立てる、心のスキル…といった様にさまざまなスキルがあるそうです。今回は聴くスキルについて重点的に学ぶとのこと。コーチングには、話すことはもちろん「聴くこと」も大事なんですね!

「性善説」
コーチングは「性善説」のもとに成り立っているといいます。それゆえに、人を褒めることは大事であり、モチベーションアップに繋がります。では、私達はどれくらい「褒める」言葉をもっているのでしょうか。今回は一分間で「褒める」言葉リストを作り、それぞれ発表し合いました。「褒められたら嬉しい」し、「褒めて育てる」ことの重要性も理解しているつもりですが、実際にやってみるとなかなか難しい~!

「傾聴のロールプレイ」
今回の勉強会のメインです。「聴くこと」について2人組で講師の指示通りに行動してみると…、(お互いどのような指示が与えられたかは知らされていません)まず聴き役の難しさを実感している人が多数!「やってはいけない」聞き役の態度も思い返せば、どれも日常でよくやっていることばかり。例えば、パソコンをしながら人の話を聞いたり…、台所で夕ご飯を作りながら子どもの話を聞いたり…、でも実際は「聞いているつもり」で「聴いてない」のかもしれません。反省することばかりです。

今日の勉強会のまとめとして講師の井川さんから「でも、コーチングは特別なことではないのですよ」とお話がありました。井川さん自身、全てのことをやろうとせず、まずは日常語から「否定語」をなくす努力をしているとか。例えば、自分と異なる意見を持つ人の話を聴くときに、「それは違います」「私はそんな風には考えません」と言いがちですよね。でも、その言葉を言う前に、「そうですね」「なるほど」と相手を受け止めることは出来るはずです。まずは、身近なことでどんな変化を起こすことができるか、考えさせられた一日でした。

最後に、会場の熱気が懇親会まで続いた参加者の皆さんの声をお届けします。

「人の話をいかに引き出すか、そして相手のやる気を出させることが出来るかが大切かが分かりました」(教員)
「傾聴ですね。とにかく話を聞いていくこと、そして、本人に考えさせるような質問をしていくこと」(エレクトーン講師)
「意外と忘れていることが多いのと、日々の仕事で実践できていないことが多いので再びやろうとという気持ちになった」(教員)
「人との接し方、感じ方を考えるきっかけを貰いました」(メーカー勤務)

(取材/執筆:学びの場特派員 山名ひろみ)


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