2008.04.29
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食物アレルギーの子供の増加

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

「どうして、こんなにアレルギーの子が増えたんでしょうね?」
ある担任の先生からこんな声をいただきました。
新年度がスタートして1ヶ月。今年は、アレルギーを持つ子供たちへの対応に追われてしまいました。

「様々な生活のつけは3代目に現れる」アレルギーについての学習会の際、講師を引き受けてくださった小児内科の先生の言葉です。
私たちの関係分野から言うとこれは「食生活」のこと。どんなものを口にしてきたのか、どんな環境で生活してきたのか、その日々の積み重ねの結果が3代目に集約されて現れるということです。もちろん、その生活を送っている当事者にも現れますが、それはその代にとどまらず、もっと蓄積されて、3代目にはさらにひどい症状となって発症するということです。

先日、農民連の食品分析センターを見学に行ってきました。ここは、5年ほど前に冷凍ほうれん草の残留農薬を検出し、社会に「食の安全性」について問題提起したところです。
この分析センターは寄付によって設立された世界でも珍しい施設で、今でも多くの食品の分析を手がけています。そこで、輸入小麦の残留農薬についてのお話を伺い、今、子供たちに広がる食物アレルギーの原因の一端を感じてきました。
 (農民連 食品分析センター見学の報告はまた後日・・・)

子供たちに安全な食を提供したい!そのためにはなんと言っても自給率を上げること!!
アレルギーの対応に四苦八苦すればするほど、なんとか、国産の食品を生産、普及させるために「学校給食」の役割をもう一度、国民全体に問いかけなくてはと感じています。

アレルギーは、正しい知識と対応によりわずかながらでも改善できる場合があります。しかし、医師の中にも「食物アレルギー」に対して古い考えや間違った対応を続けている方がおり、なかなかその扱いについては問題や課題が山積みされています。
学校現場でも、保護者と医師、教師、栄養士等が互いに勉強しあえる場がもてればと感じながら過ごした1ヶ月でした。

宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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