2008.04.23
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楽しいが一番!

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

中・高校生の生徒、それも女子に「何の教科が好き?」と聞くことがよくあります。大抵はすぐに「生物!」とか「古文!」という答えが返ってきます。で、その次。「何でその教科が好きなの?」と尋ねると、「OO先生が好きだから~」という生徒が少なからずいます。逆もまたしかり。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ではありませんが、その先生と合わないがためにその教科そのものが嫌いになってしまうという残念なケースがあります。一方、「教えてくれる先生」によって、はじめは「先生好き」だったのが、次第に「その先生の教える学問好き」になって進路に影響するようなこともあります。

では、生徒からの目線で「勉強が好きになる先生」とはどんな先生なのでしょうか?それは「先生自身が授業を楽しんでいる」先生なのではないかと思います。

昨今、学校現場は本来の「授業」以外の業務が増えたことに加え、やれ「目標管理」だ「学校評価」だという外からの目(これが必ずしも悪いというわけではありませんが)のせいか、先生方が均質化してしまい、良い意味での「名物教師」が減ったような気がします。今回は私の出会った「名物教師」のお話です。

私が高校生だったころ、3年生の担任をしてくださった世界史のM先生、当時、今の私の年齢くらいだったでしょうか?本当に授業が、そして学校が大好きな先生でした。私は不真面目な生徒だったため授業内容は全く覚えていないのですが、授業の合間にポンポン飛び出す雑談というかほとんど意味の無い話は今でも頭に焼き付いています。その中でも「ワシが死んだらなぁ、前方後円墳の上にピラミッドを載せた墓を作って埋めてもらうんじゃ~!」と満面の笑みで語られていました。

この先生のおかげで私の世界史の成績は決して良いものではありませんでしたが、不思議と世界史嫌いにはならず、今では教える立場になってしまいました。

大学を卒業し、教師になったことをM先生に報告に行くと、「野村が先生か~。まぁ、とりあえず楽しんでやれ!」という励ましの一言をいただき、その日以来9年、「楽しさ」をモットーに教壇で多種多様な生徒相手に試行錯誤しています。

残念なのは、このM先生、もうこの世におられないということです。今から6年前、仕事中に倒れ、そのまま亡くなられてしまいました。まだ働き盛りの40代前半。あまりにも早すぎる死でした。先生の葬儀には会場からあふれんばかりの生徒、卒業生が集まっていました。これも先生の人柄です。

天国のM先生へ。高校時代不真面目な生徒でしたが、M先生に少しでも近づけるようにがんばっていますよ!!授業は「楽しいが一番」ですよねっ!!

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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