2008.04.11
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『評論家』になろう

津田塾大学 国際関係学科4年 おおうみ のぼる

随分前から、子供の文字離れが騒がれています。
私はといえば、文章は書きますが、読書はめっきり。
ボキャブラリーのお粗末さに焦って、何でもいいから読もうと決心しました。
大学入学後のことです。なんと。

★ ★ ★

当時は、読書後、内容を覚えておくために感想文を書いていました。
感想文専用のノートに、読み終えた日・書名・作者、それから批評めいた文を綴りました。
例えば、壺井栄『二十四の瞳』について
『突然、4年、8年の歳月が流れるのは良くない。付け足しながら文を書いているようで、伏線も何もない』
などと書いています。
うーん、我ながら恐ろしい。

★ ★ ★

恐ろしくはありますが
感想を書くことを意識すると、読書にとても集中できます。

何が面白かったのか?
この場面はどうして切ないのか?
あの文はどうして気に食わないのか?

理由を解明しなくては、良い感想文は書けません。
読み終えてから『誰かに説明できる』ことが大切です。
自分の言葉で感想を言うことで、『読者』という受身の状態から、自立性のある『評論家』になれるのです。

★ ★ ★

最近、小学校では、読書の時間を設けているそうです。
児童に感想を書かせ、チェックしている先生もいます。
しかし、家で「今、どんな本を読んでいるの?」と聞いてみることも必要です。
昔、自分が夢中になった『ズッコケ三人組』について、子供はどんな感想を持っているのでしょうか。

おおうみ のぼる(おおうみ のぼる)

津田塾大学 国際関係学科4年
2005年4月、自転車サークル「なかよしさいくる」に入会。同年6月、文芸サークル「無知の知」を創設、現会長。 書くことに自分勝手な塾講師。

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