2008.03.18
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バイキング給食  給食の量と好き嫌い

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

 6年生が、卒業式の練習をはじめました。
3月に入り、6年生をおくる会(児童)、卒業お別れ会(保護者)と続き、土曜日には吹奏楽クラブのファイナルコンサートもありました。クラスごとに授業の内容も卒業に向けての準備が増え、子どもたちもなんとなくソワソワしはじめています。

 給食では、クラスごとにバイキング給食を実施しています。学校によっては、「バランスよく食べよう」「赤・黄・緑の食材を選ぼう」などの食指導をしっかりと行うためのメニューを組みますが、本校では、今年は、ちょっと様子見を・・・

他校の栄養士から、どのくらいの量を準備したらいいのか、どんな料理を出したのかなどの情報も頂戴し、本校のメニューを決定。6年生の先生と確認をとると、数物について不安なご様子。「大丈夫ですよ。それでやりましょう。」と、お返事はいただけたものの、今度は、こちらが不安に。前日まで迷い、数ものの数を増やすことに。見栄えも豪華になりましたが、こんどは残菜が心配に。

あるクラスの先生から、給食の量について指摘を受けました。「この量では少ない!給食が終わってもはらへったぁっと言われる」とのこと。
基準量はクリアしていますし、食べ終わって、それほど足らない!という印象は受けません。
栄養士:「好きなものだけ、足らないと言い、明らかにこれは子どもが苦手そうというメニューは大量に残ってくる。子どもがおなかを空かすから量を増やせというのは違うのではないか。基準量が少ないというなら、嫌いなもののときもきちんと食べてほしい。」
担任:「それは、学級指導の問題」「育ち盛りに、給食が足らないという感覚を持たせるのはどうかと思う」

 嫌いなものなら、おなかがすくのは何とも思わないが、好きなものはいくらでも食べたい。子どもの素直な反応でしょうが、嫌いなものは“平気で残す”、好きなものは“いくらでも食べてしまう”という感覚や態度は、なんとか改善していきたいものです。


 ランチルームでバイキングを終えた子どもたちを見た養護の先生が「満面の笑みってああいうのをいうんだろうね」と声をかけてくださいました。心配していた量もちょうど完食という感じ。あれだけゆっくりと(休み時間なしで食事時間を30分とりました)あれだけの量を食べれば満足でしょうとも・・・


 思えば4月、新一年生を迎え、「あ~ここから始まるんだ!」とこれまで見てきた高校生、中学生の姿とダブらせながら思わず感無量の涙を浮かべてから1年。あの小さかった1年生もすっかり、お兄さん、お姉さんとなりました。そして、6年生は、いよいよ小学校を巣立っていきます。
すべての子どもたちが、これから過ごしていくであろう時間の中で、いつでも夢と希望を見出せるような手助け(なげかけ)をしていきたい。給食を通してどんなことができるのだろう? 小学校経験1年目。まだまだ手探りの日々が続きそうです。
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宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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